製品Q&A

ジオトリフで治療を受ける肺癌患者さんに知っておいていただきたいポイントとして、ジオトリフの作用メカニズム、保管方法、他の薬剤との相互作用、副作用対策などについて、Q & A形式で紹介します。

ジオトリフの使用上の注意:相互作用は?

添付文書の内容をご参照ください。

10. 相互作用

本剤はP-糖蛋白(P-gp)の基質である。また、in vitro試験において、本剤は乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であること、及び本剤の代謝への肝薬物代謝酵素P-450の関与は低いことが示唆された。[薬物動態 4、薬物動態 5.2 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

 

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

P-gp阻害剤:

リトナビル、イトラコナゾール、ベラパミル等
[薬物動態 7.1参照]

本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が高まるおそれがあることから、P-gp阻害剤と併用する場合は、本剤投与と同時又は本剤投与後に投与すること。 本剤はP-gpの基質であり、本剤服用前にP-gp阻害剤を投与すると、併用により本剤の血中濃度が上昇することがある。

P-gp誘導剤:

リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort)等
[薬物動態 7.2参照]

本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがある。 本剤はP-gpの基質であり、併用により本剤の血中濃度が低下することがある。

 

 

ジオトリフの作用機序は?

承認された世界初の不可逆的ErbBファミリー阻害剤です。

• ErbB受容体ファミリーには4種類あります:EGFR(ErbB1)、HER2(ErbB2)、ErbB3、ErbB4
• ErbB受容体ファミリー同士で二量体を形成してシグナルを伝達します
• EGFR遺伝子に変異が生じるとErbB受容体ファミリーのシグナル伝達が異常となるため、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌では異常増殖や進展が起こります
• ジオトリフ(アファチニブ)はErbB受容体ファミリーのシグナル伝達を、不可逆的に阻害します

ジオトリフの作用機序は?

 

Solca F et al:J Pharmacol Exp Ther 343(2), 342, 2012
本研究はベーリンガーインゲルハイム社により実施されました。

 

 

ジオトリフを保存するうえで、どのようなことに注意すればよいですか?

ジオトリフは湿気と光に不安定なため、室温で保存し、服用直前に開封し、開封後には湿気と光を避けて保存してください。
小さなお子さんの手の届かないところに保管してください。

 

 

ジオトリフを飲み忘れた場合、どうすればよいですか?

 

ジオトリフを飲み忘れた場合1ジオトリフを飲み忘れた場合2

 

1. 次の服用時間に近い場合(8時間以内)は、服用せずに、次の決められた時間に定められた用量を服用してください。
2. 次の服用時間まで8時間以上ある場合、空腹時の条件(前の食事から3時間以上経過し、次の食事まで1時間以上時間があること)を満たすことができれば、服用することができます。

 

 

ジオトリフの主な副作用である口内炎についての注意点は?その対策は?

口内炎には確立した治療法がないため対症療法を実施します。

• 口内炎の治療では、うがいと口腔ケアを継続します
• 軽度~中等度の痛みには、リドカインなどの局所麻酔薬によるうがいを実施し、アセトアミノフェンか非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与します
• 保湿剤による粘膜保護に加えて、疼痛緩和や抗炎症効果を期待して口腔内に低出力レーザーを照射することがあります

口内炎のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

口内炎のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

 

社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(LUX-Lung 3) [承認時評価資料]

 

■口内炎発現時の対応

• Grade 3以上の口内炎、もしくは忍容できないGrade 2の口内炎が認められた場合は、Grade 1以下に回復するまでジオトリフの投与を休薬してください

• 口内炎には確立した治療はなく、症状にあわせた対症療法が主になります

(1) 含嗽および口腔ケア
治療においても口腔ケアと含嗽は継続します。含嗽剤は口腔内の保清、保湿に加えて、消炎鎮痛、組織修復が主な目的です。口内炎が発生すると疼痛により口腔ケアが困難になります。疼痛が強い場合は、まず局所麻酔薬、消炎鎮痛薬を使用し、激しい疼痛の場合はオピオイドを組み合わせて口腔ケアを継続するように努めます。
(2) 消炎および鎮痛薬
軽度から中等度の痛みには、局所麻酔薬(リドカインなど)による含嗽に加え、アセトアミノフェンか、非ステロイド性抗炎症薬(解熱消炎鎮痛薬:NSAIDs)を使用します。中等度以上の痛みで除痛が困難な場合は麻薬系鎮痛薬を使用することもあります。ただし、NSAIDsはシスプラチンなどの腎毒性のある薬剤との併用では、腎機能障害が増悪する可能性があるため注意が必要です。骨髄抑制などの免疫低下状態では、口腔カンジダ症やウイルス性口内炎が増悪することがあるので、ステロイド治療は使用方法に慎重さが求められます。漫然と大量もしくは長期に使用するべきではありません。
(3) 粘膜保護
口腔乾燥からの粘膜保護は保湿剤に加え、副交感神経を刺激して唾液の分泌を促すピロカルピン塩酸塩錠、人工唾液などを補助的に使用するとよいです。
(4) 低出力レーザー
低出力レーザーを口腔内に使用すると、その特性から深部では吸収だけが起こり表層で強い拡散が起こるため、口腔内に露出した部分(口腔粘膜)にのみ効果が得られます。低出力レーザーは、細胞の活性化やコラーゲン新生の促進、血流改善や血管新生の促進などに関与し、疼痛緩和効果をはじめ抗炎症効果、鎮静効果、創傷治癒促進効果がみられるため、口内炎治療に応用されています。
 
 
 

ジオトリフの主な副作用である爪囲炎についての注意点は?その対策は?

爪囲炎については皮膚科医への相談をご検討ください。

• 爪囲炎の治療は、外用ステロイドと外用抗菌薬がベースになります
• Grade 2以上の場合にはミノサイクリンの内服を、2次感染が疑われる場合にはその他の経口抗菌薬への切り替えを検討します
• 炎症部位の症状軽減のためにテーピングを実施します
• 外科的治療など詳細につきましては皮膚科医にご相談ください

爪の異常のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

爪の異常のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

 

社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(LUX-Lung 3) [承認時評価資料]

 

■爪囲炎発現時の対応

 

• Grade 3以上の爪囲炎、もしくは持続する(7日間を超える)または忍容できないGrade 2の爪囲炎が認められた場合は、Grade 1以下に回復するまでジオトリフの投与を休薬してください

爪囲炎発現時の対応

 

• ステロイド使用にあたっての注意:ステロイドの長期使用で生じる易感染性などのリスクを避けるため、状況に応じてステロイドのランクを下げる、または塗布回数を減らすなどしてください

監修:国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

ジオトリフ 適正使用ガイド

 

 

ジオトリフの主な副作用である発疹/ざ瘡についての注意点は?その対策は?

発疹/ざ瘡対策として外用ステロイドやミノサイクリンの内服が重要です。

• 発疹/ざ瘡の発現時には、発現部位に応じて外用ステロイドのランクを使い分け、ミノサイクリンの内服も考慮します
• ジオトリフ服用時には肌が直射日光に対して敏感になるため、肌の露出をできるだけ避けるよう患者さんにご指導ください
• 腕や脚が隠れる衣服の着用や、日焼け止めの使用(SPF 30以上でPA++以上のもの)を勧めます。詳細につきましては、患者さん向け小冊子(ジオトリフを服用される患者さんへ)をご活用ください
• 必要に応じて皮膚科を受診するよう、患者さんにご指導ください

発疹/ざ瘡のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

発疹/ざ瘡のGrade別発現状況

 

社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(LUX-Lung 3) [承認時評価資料]

 

■発疹/ざ瘡発現時の対応

 

• Grade 3以上の発疹/ざ瘡、もしくは持続する(7日間を超える)または忍容できないGrade 2の発疹/ざ瘡が認められた場合は、Grade 1以下に回復するまでジオトリフの投与を休薬してください

発疹/ざ瘡発現時の対応

 

• ステロイド使用にあたっての注意:ステロイドの長期使用で生じる易感染性などのリスクを避けるため、状況に応じてステロイドのランクを下げる、または塗布回数を減らすなどしてください

監修:国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

ジオトリフ 適正使用ガイド

 

 

ジオトリフの主な副作用である下痢についての注意点は?その対策は?

下痢発現時にはロペラミドなどの止潟薬を処方します。

• 水分補給を十分に行ってください
• ジオトリフ休薬時にも、止瀉薬の投与は継続します

下痢のGrade別発現状況(LUX-Lung 3のジオトリフ群;n=229)

下痢のGrade別発現状況

 

社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(LUX-Lung 3) [承認時評価資料]

 

■下痢発現時の対応

 

• 重度の下痢の発現を防ぐためには、早期からの適切な対処が重要です
• 下痢の発現に備え、ロペラミドなどの止瀉薬を患者が常に携帯し、下痢が発現した際には、直ちに服用するよう指導してください
• 下痢を発現した患者に対しては、乳糖含有製品などの下痢を悪化させることが知られている食品を避けるよう指導してください
• また、Grade 2の下痢で48時間を超えるものや忍容できないもの、またGrade 3以上の下痢が認められた場合は、Grade 1以下に回復するまでジオトリフの投与を休薬してください

下痢発現時の対応

 

Yang JC et al:Expert Rev Anticancer Ther 13(6), 729, 2013

本総説はベーリンガーインゲルハイム社の支援により執筆されました

ジオトリフ 適正使用ガイド

 

 

ジオトリフの休薬・減量基準は?

副作用のグレードを基に本剤の投与継続または休薬を判断し、投与再開時には10mg減量してください。
また、本剤を一旦減量した後は、増量を行わないでください。

休薬・減量基準

 

■ジオトリフの用法及び用量

 

6. 用法及び用量

通常、成人にはアファチニブとして1日1回40mgを空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 副作用が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮し、休薬、減量又は中止すること。

用法及び用量に関連する注意

 

注1)グレードはNCI-CTCAE 3.0版による。

注2)48時間を超える下痢又は7日間を超える皮膚障害

注3)1日1回20mg投与で忍容性が認められない場合は、投与中止を考慮すること。

注4)一旦減量した後は、増量を行わないこと。

 

7.2 1日1回40mgで3週間以上投与し、下痢、皮膚障害、口内炎及びその他のグレード2以上の副作用が認められない場合は1日1回50mgに増量してもよい。

7.3 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後3時間までの間の服用は避けること。[薬物動態 2.1 参照]

7.4 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

 

 

助成金プログラム

ベーリンガーインゲルハイムは、医療関係者の皆さまからヘルスケアに関連する研究等の提案を受け付けています。

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