日本呼吸器学会がCOPD診断と治療のためのガイドラインを更新

サイトへ公開: 2023年06月13日 (火)
日本呼吸器学会COPDガイドライン第6版作成委員会によって、COPD診断と治療のためのガイドラインが改訂されましたので、概要をご紹介します。

2022年6月、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版」が発刊されました1)
COPDは長期間の喫煙に起因する生活習慣病で、わが国には500万人を超える患者がいると推定されています1)。このため、多くの非専門医がかかりつけ医として診療する機会もある疾患であり、平成25年度から開始された「健康日本21(第2次)」においても、COPDは対策を講じるべき生活習慣病として取り上げられています2)。しかし、実際にCOPDの治療を受けている患者は数十万人とされ、未診断・未治療のまま喫煙を継続して重症化するケースもまだまだ多いという現状があります1)
COPDは多くの高齢者が罹患している疾患でもあり、社会の高齢化により、今後、わが国の医療に大きなインパクトをもたらすことが危惧されているなか、治療・管理に関する最新のエビデンスを反映したガイドラインが作成されたことは、非常に意義があると考えられます。

本ガイドラインは、呼吸器専門医だけでなく非専門医にもCOPDの標準的かつ適切な診断、治療、管理を広く普及させることを目指し、疾患概念、病態、診断、治療などの各項目に最新知見が追加されました。また、クリニカルクエスチョンを設定し、最新のエビデンスに基づく科学的レビューにより、現時点でのベストアンサーを模索しています。

作成委員会は、本ガイドライン改訂のポイントとして、以下の点を挙げています。
1. 全身併存症の追加
2. 診断の契機の記載の具体化
3. 併存症・合併症の初期診断時評価
4. 身体活動性の項目の追加
5. 検査項目の追加
6. 管理目標の更新
7. 安定期管理アルゴリズムの更新
など

  1. 日本呼吸器学会COPDガイドライン第6版作成委員会. COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版. 東京;メディカルレビュー社:2022.
  2. 厚生労働省. 健康日本21(第二次)最終評価報告書 概要.
    https://www.mhlw.go.jp/content/000999450.pdf
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