効果的なチームビルディングとは!?円滑なチーム医療のカギは○○!!

サイトへ公開: 2021年02月01日 (月)
目的達成に向けてチームをマネジメントする”チームビルディング”を効果的に行うためのポイントについてハイズ株式会社 代表、慶應義塾大学大学院 特任教授の裵英洙先生にお伺いしています。
監修:裵 英洙 先生 (MD, Ph.D, MBA)ハイズ株式会社 代表/慶應義塾大学大学院 特任教授

監修:裵 英洙 先生 (MD, Ph.D, MBA)ハイズ株式会社 代表/慶應義塾大学大学院 特任教授

チーム医療に必要なチームビルディング

チーム医療とは医療従事者が密に連携することで患者中心の医療を実現することです。糖尿病におけるチーム医療では医師・看護師・薬剤師・栄養士・検査技師など多くの職種の方の連携が必要となります。多職種をまとめ、目的達成に向けてチームを編成・マネジメントする手法をチームビルディングといいます。連携の流れをうまく整理したり、個々のメンバーの力関係を調整するなど、様々な工夫が求められます。
今回はチームビルディングを効果的に行う上で、チーム医療のカギとなる「3つのC」をご紹介します。

チーム医療に必要なチームビルディング1

まず、「協力」。医療は非常に高度で専門的な作業が必要であると同時に、場合によっては即座の判断も求められます。それぞれの職種がカバーしている業務を他の職種が理解できないケースも多く出てきます。だからこそ、チームの協力を獲得するには、まずは助けを求められたら自身から積極的に協力することが重要です。
次に、「共同」。一般的に、同じ空間・時間・体験の3つの「共同」要素が揃うとチームとしての一体感や相互理解が生まれやすくなります。そのため、同時期同場所で行う集合形式のミーティングやあえて多職種で同じ業務を行うと相互理解が深まります。
そして、「調整」。チーム医療のキーとなるのは医師です。医師自身が業務を振るだけでなく、連携の流れを整理したり、メンバーの力関係を踏まえて戦略的に役割を与えていく「調整」こそがチームビルディングの要点となります。
一方で、医師があまりにも多忙であるためにチーム医療がうまくいかないケースが散見されます。チーム医療の推進をミッションに掲げるのであれば、リーダーとなる医師が調整役として力を発揮できるよう、日頃の業務量を多少減らすなど、環境を整えることも必要となるでしょう。

チーム医療に必要なチームビルディング2

「調整」のための4つのSTEP

「調整」のために4つのSTEPを紹介します。

「調整」のための4つのSTEP

チームビルディングにおいて、まずチームの目標設定をする必要があります。この目標設定は「医療の質を向上する」などの抽象的なものではなく、「この患者さんは服薬方法を正確に理解し、飲み忘れがなくなる」、「次回の糖尿病教室では○○を達成する」など具体的なほどメンバーのやるべきことが明瞭になります。もちろん目標は複数あっても構いません。
次に、チームメンバーの公私にわたる情報を共有するために自己紹介を積極的にしていくことです。「知らない人の頼みは断れますが、知っている人からだと断りにくい」という心理的効果が期待され、チームの生産性向上に繋がります。
そして、チームの業務の棚卸しではカンファレンスなど共同作業を行う場を積極的に設け、各メンバーの業務範囲を改めて説明してもらうと理解が深まります。業務量を把握するために1日のスケジュールに沿って説明してもらうことも効果的です。チームの棚卸しを進めていくと、誰の守備範囲でもない業務が出てきます。それを調整役がメンバーの人柄や業務量を鑑みて適切な人にお願いしていくのが良いでしょう。
最後に、感謝と尊敬です。小さいことでもお互いに「ありがとう」「助かったよ」「いつも大変ね」とお互いを労る風土を醸成するとより気持ちよく働ける職場になっていきます。もちろん、これば調整役である医師が率先して実行しなければなかなか浸透しません。
医師はチームビルディングの中でも重要な役割を担っています。一度立ち止まり、改めてよりよい診療環境づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

【引用】

裴 英洙.医療職が部下を持ったら読む本. 日経BP社. 2014より抜粋・一部改変

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