LUX-Lung 2,3,6試験統合解析(海外データ)

サイトへ公開: 2021年01月06日 (水)

近年、EGFR遺伝子変異陽性肺癌では遺伝子変異の検査方法が変化し、今まで未検出だったuncommon mutationがより多く検出される可能性が考えられます。
このuncommon mutationに対するアファチニブの有効性を検討した、LUX-Lung2,3,6試験統合解析を紹介いたします。

1. LUX-Lung 2,3,6統合解析の解析対象

LUX-Lung2,3,6試験に登録されたuncommon mutationを有するEGFR遺伝子変異陽性進行肺線癌患者100例を対象とし、EGFR遺伝子変異のタイプ別に3群に分類して解析を行っています。

LUX-Lung 2,3,6試験統合解析の試験デザイン

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 16(7), 830, 2015 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

2.LUX-Lung 2,3,6試験統合解析におけるEGFR遺伝子変異の種類

グループ1(Exon18-21)に含まれた遺伝子変異は、多い順に、L861Q、G719X、S768Iなどでした。

LUX-Lung 2,3,6試験統合解析におけるEGFR遺伝子変異の種類

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 16(7), 830, 2015 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

3.LUX-Lung 2,3,6試験統合解析における無増悪生存期間(PFS)

グループ1(Exon18-21のsingle/compound mutation)に対するアファチニブのPFS中央値は10.7ヵ月でした。

LUX-Lung 2,3,6試験統合解析における無増悪生存期間(PFS)

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 16(7), 830, 2015 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

4.LUX-Lung 2,3,6試験統合解析における腫瘍縮小率とPFS

グループ1(Exon18-21のsingle/compound mutation)に対するアファチニブの奏効率は71.7%でした。

LUX-Lung 2,3,6試験統合解析における腫瘍縮小率とPFS

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 16(7), 830, 2015 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

5.LUX-Lung 2,3,6試験統合解析におけるG719X、L861Q、S768Iでの有効性(サブグループ解析)

本統合解析で発現頻度の高かったG719X、L861Qに対するアファチニブの奏効率は77.8%、56.3%でした。
PFS中央値はG719Xが13.8ヵ月、L861が8.2ヵ月、S768Iが14.7ヵ月でした。

LUX-Lung 2,3,6試験統合解析におけるG719X、L861Q、S768Iでの有効性(サブグループ解析)

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 16(7), 830, 2015 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

6.LUX-lung2,3,6安全性情報

LUX-Lung2,3,6統合解析では、安全性情報を収集しておりません。

Yang JC et al.: Lancet Oncol2015; 16: 830-838

  • LUX-Lung 2試験:海外第Ⅱ相試験(海外データ)

副作用は99.2%(128/129例)に認められました。主な副作用(発現率50%以上)は、下痢(122例、94.6%)、発疹/ざ瘡(120例、93.0%)、爪の異常(109例、84.5%)、口内炎(104例、80.6%)、そう痒症(73例、56.6%)でした。投与中止に至った副作用は8.5%(11例)に認められ、主なものは間質性肺疾患(4例、3.1%)、発疹/ざ瘡、嘔吐(各2例、1.6%)等、重篤な副作用は12.4%(16例)に認められ、主なものは発疹/ざ瘡(4例、3.1%)、疲労(3例、2.3%)等、死亡に至った副作用は1例(間質性肺疾患、投与終了後)に認められました。

Yang JC. et al.: Lancet Oncol 13(5), 539, 2012 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

  • LUX-Lung 3試験:国際共同第Ⅲ相試験

副作用はアファチニブ群99.6%(228/229例)、 PEM+CDDP群95.5%(106/111例)に認められました。主な副作用(発現率50%以上)は、アファチニブ群で下痢(218例、95.2%)、発疹/ざ瘡(204例、89.1%)、口内炎(165例、72.1%)、爪の異常(140例、61.1%)、PEM+CDDP群で悪心(73例、65.8%)、食欲減退(59例、53.2%)でした。Grade 3以上で発現率10%以上の副作用は、アファチニブ群では発疹/ざ瘡(37例、16.2%)、下痢(33例、14.4%)、爪の異常(27例、11.8%)、PEM+CDDP群では好中球減少症(20例、18.0%)、疲労(14例、12.6%)でした。アファチニブ群での投与中止に至った副作用は7.9%(18例)に認められ、主なものは下痢3例、間質性肺疾患、爪の異常が各2例等、重篤な副作用は14.4%(33例)に認められ、主なものは下痢15例、嘔吐8例等、死亡に至った副作用は4例(呼吸不全2例、敗血症、不明が各1例)に認められました。

Sequist LV. et al.: J Clin Oncol 31(27), 3327, 2013 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

  • LUX-Lung 6試験:海外第Ⅲ相試験(海外データ)

副作用はアファチニブ群98.7%(236/239例)、GEM+CDDP群99.1%(112/113例)に認められました。主な副作用(発現率50%以上)は、アファチニブ群で下痢(211例、88.3%)、発疹/ざ瘡(193例、80.8%)、口内炎(124例、51.9%)、GEM+CDDP群で嘔吐(91例、80.5%)、悪心(85例、75.2%)、好中球減少症(61例、54.0%)、白血球減少症(58例、51.3%)でした。Grade 3以上で発現率10%以上の副作用は、アファチニブ群では発疹/ざ瘡(35例、14.6%)、GEM+CDDP群では好中球減少症(30例、26.5%)、嘔吐(22例、19.5%)、白血球減少症(17例、15.0%)でした。アファチニブ群での投与中止に至った副作用は5.9%(14例)に認められ、主なものは発疹/ざ瘡5例等、重篤な副作用は6.3%(15例)に認められ、主なものは発疹/ざ瘡3例、下痢2例等、死亡に至った副作用は1例(突然死)に認められました。

Wu YL. et al.: Lancet Oncol 15(2), 213, 2014 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

ページトップ