リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣 ②睡眠

サイトへ公開: 2023年11月29日 (水)
リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣より、睡眠の重要性と、質を高めるヒントについて紹介します。

By: Katya Fernandez, Ph.D., Cathleen Clerkin, Ph.D., and
Marian N. Ruderman, Ph.D.

Center for Creative Leadership(以下、CCL)は、リーダーシップに関する理解と実践、発展を促進するために1970年に設立された、米国に拠点を置く非営利組織です。CCLはリーダーシップ開発に必要なサポートをさまざまな業界に提供しており、リーダーシップ研究の世界的なパイオニアとして知られています。このシリーズでは、CCLの研究活動を通じて得られたインサイトから、不確実さや複雑さを増している中でリーダーがレジリエンスを構築すべき重要性と、レジリエンスを構築するうえで有用な「COREフレームワーク」のコンテンツを翻訳してご紹介します。

睡眠

身体的な健康、精神的に鋭敏、およびリーダーシップの有効性を同時に望む場合、睡眠は不可欠な要素だと言えます。人間が十分な睡眠をとらないとどうなるかを調べると、その重要性が浮き彫りになります:睡眠不足は、脳の前頭葉―注意、適切な判断、新しい記憶形成などの重要な認知プロセスを司る領域―の機能を低下させます(Harrison & Horne, 1999)。

睡眠不足は、社会的レジリエンスにも波及的に影響します。具体的には、リーダーが第三者の感情を知覚し、それに反応する際にも影響を及ぼす可能性があります(例えば、睡眠不足の状態では、ネガティブな出来事に対して不快な反応をしやすくなる)。より一般的には、睡眠不足は仕事のストレス増大にも関係し、前述の負の連鎖を助長します。

睡眠は生物学的にも心理学的にも重要であるにもかかわらず、多くのリーダーがその改善に苦労しています。CCLでは、384人のリーダーや専門家を対象に睡眠習慣に関する調査を実施し(Svetieva, Clerkin, & Ruderman, 2017)、参加者の平均睡眠時間が6.63時間、42%が6時間未満との回答であったことから、睡眠不足が蔓延していて、専門家が推奨する7~9時間の睡眠時間を大幅に下回っていることを明らかにしました(Suni, 2020)。

リーダーが十分な睡眠をとれない理由のひとつに、電子機器に縛られていると感じたり(Deal, 2015)、常にアンテナを張って最新情報を入手しなければならないというプレッシャーから、絶えず電子メールやプロジェクトの最新情報をチェックしたりしていることが考えられます。睡眠は4つのレジリエンス領域すべてに影響を及ぼすため、リーダーはこれまで以上に意識的に睡眠の質を高め、睡眠時間を増やすことが重要だと考えられます。

睡眠の質を高め、睡眠時間を増やすヒント

睡眠時間を増やす方法をお探しなら、ここで睡眠の専門家お墨つきのヒントをいくつか紹介しましょう。

  • 就寝時間と起床時間を一定にする。できるかぎり毎日同じ時間に就寝・起床するようにしましょう。就寝時間や起床時間がバラバラだと、身体が混乱して寝つきが悪くなったり、目覚めが悪くなったりします。
  • 睡眠時間を20分増やす。十分な睡眠がとれていない場合は、あと20分だけでも睡眠時間を増やせるか試してみましょう。20分早く寝る、20分遅く起きる、あるいは、昼寝をする、などが考えられます。
  • 眠りを誘う、リラックスできる習慣を作る。リラックスして眠りに入る習慣を身につけましょう。そうすることで、その習慣の後は休息の時間であることを、身体に伝えることができます。
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Originally published by the Center for Creative Leadership in “Building Leadership Resilience: The CORE Framework”
http://cclinnovation.org/wp-content/uploads/2020/12/researchinsights_1220_rev1.pdf

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