リーダーシップ・レジリエンスの構築-2 イントロダクション

サイトへ公開: 2023年10月30日 (月)
CCLの研究に基づくインサイトより、リーダーシップ・レジリエンスの構築についてまとめられた記事から、イントロダクションをご紹介します。

By: Katya Fernandez, Ph.D., Cathleen Clerkin, Ph.D., and Marian N. Ruderman, Ph.D.

Center for Creative Leadership(以下、CCL)は、リーダーシップに関する理解と実践、発展を促進するために1970年に設立された、米国に拠点を置く非営利組織です。CCLはリーダーシップ開発に必要なサポートをさまざまな業界に提供しており、リーダーシップ研究の世界的なパイオニアとして知られています。このシリーズでは、CCLの研究活動を通じて得られたインサイトから、不確実さや複雑さを増している中でリーダーがレジリエンスを構築すべき重要性と、レジリエンスを構築するうえで有用な「COREフレームワーク」のコンテンツを翻訳してご紹介します。

イントロダクション

リーダーは賢く、野心的である傾向にあります。彼らは多くの場合、その知性、勤勉さ、技術的スキル、そして粘り強さを通じてリーダーとなり、対人関係スキルや問題解決能力を駆使して出世していきます(Riggio & Lee, 2007)。しかし、どのリーダーも、ある時点でこうした特性やスキルだけでは十分に対処できなくなる時期に直面します。一個人として、または組織や社会としても、破壊的で前例がなく、予測不可能な課題に遭遇します。
このようなとき、リーダーはしばしば、より懸命に、より長く、より速く働くことで対処しようとします。この対応は理解できるものですが、長期的には持続不可能であり、必然的に見返りも少なくなっていきます。より懸命に、より長く、より速く働くことは、社会的・身体的な健康など、仕事以外のウェルビーイングをないがしろにすることにつながります。この悪循環は時間の経過とともにさらに悪化して、最終的にはバーンアウトや、その他の望まない結果につながります。
本シリーズでは、リーダーがこの悪循環から抜け出すための代替的アプローチについて論じます。具体的には、個人の内的資源と前向きな対処戦略からなる多様なポートフォリオを構築することで、リーダーがバーンアウトするまで働き続けるという罠に陥ることなく、困難や混乱を乗り切ることができることを示していきます。この代替戦略こそが「レジリエンス」なのです。

Originally published by the Center for Creative Leadership in “Building Leadership Resilience: The CORE Framework”
http://cclinnovation.org/wp-content/uploads/2020/12/researchinsights_1220_rev1.pdf

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