リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣 ⑦社会的つながり

サイトへ公開: 2024年01月30日 (火)
CCLの研究から、リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣より、社会的つながりについて紹介します。

By: Katya Fernandez, Ph.D., Cathleen Clerkin, Ph.D., and 
Marian N. Ruderman, Ph.D.

Center for Creative Leadership(以下、CCL)は、リーダーシップに関する理解と実践、発展を促進するために1970年に設立された、米国に拠点を置く非営利組織です。CCLはリーダーシップ開発に必要なサポートをさまざまな業界に提供しており、リーダーシップ研究の世界的なパイオニアとして知られています。このシリーズでは、CCLの研究活動を通じて得られたインサイトから、不確実さや複雑さを増している中でリーダーがレジリエンスを構築すべき重要性と、レジリエンスを構築するうえで有用な「COREフレームワーク」のコンテンツを翻訳してご紹介します。

社会的つながり

社会的つながりとは、人とつながり、関係をつくる能力のことです。長期的な人間関係は、強い社会的つながりを反映することが多くありますが、人とのつながりにはもっとはかないものもあります。例えば、飛行機の中で知らない人と会話が弾んだときや、プレゼンテーション中に聴衆の中うなずいて微笑み、あなたの言いたいことをすべて「理解している」ように見えたときなどです。

社会的な動物である私たちにとって、社会的つながりはウェルビーイングの中心ともいえます。社会的つながりから生まれたポジティブな感情は、職場でポジティブな気持ちを高める働きがあります。特に困難やストレスに直面している人にとっては、良いサイクルを生み出す助けとなります。例えば、サポートされていると感じることで、仕事に全力で取り組むことができ、その結果パフォーマンスが向上し、仕事に対するストレスも軽減される場合があります。

実際に、他人との社会的つながりが、身体的・心理的に有益であることは、多くの報告が示しています。例えば、社会的なサポートが大きければ、心理的なウェルビーイングが高まることや(Thoits, 2011; Turner, 1981)、免疫系が強化されること(Cole et al., 2007)がわかっています。

人とのつながりは、レジリエンスを強化するうえで特に重要な役割を果たします。例えば、ほんの少しのつながりでも、認知機能(Ybarra et al., 2008)、心血管系や神経内分泌系の健康状態(Heaphy & Dutton, 2008)、病気や喪失体験からの回復と適応(Lilius, Worline, Maitlis, Kanov, Dutton, & Frost, 2008)の改善を示した研究があります。

社会的つながりを広げるためのヒント

人との社会的つながりを増やすためには:

  • 社交性の「筋肉」を鍛える。運動を日課にするのと同じように、社交的なスキルを鍛えてみましょう。例えば、仕事の打ち合わせの際に、周囲の人にあいさつをして、調子はどうか声をかけてみましょう。
  • 寛大になる。同僚を助ける方法を探すか、手を差し伸べ、自分に何か力になれることはないか聞いてみましょう。
  • 自分以外の視点を理解する方法を学ぶ。社会的な人間関係の基本は、相手の話に真剣に耳を傾け、共感をもって受け止めることです。自分の理解を超えた経験や意見について、その人との関係性を深めていくような方法で聞いてみましょう。

Originally published by the Center for Creative Leadership in “Building Leadership Resilience: The CORE Framework” 
http://cclinnovation.org/wp-content/uploads/2020/12/researchinsights_1220_rev1.pdf

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