リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣 ⑧社会的接触

サイトへ公開: 2024年01月30日 (火)
CCLの研究から、リーダーシップ・レジリエンスを高めるための8つの習慣より、社会的接触について紹介します。

By: Katya Fernandez, Ph.D., Cathleen Clerkin, Ph.D., and 
Marian N. Ruderman, Ph.D.

Center for Creative Leadership(以下、CCL)は、リーダーシップに関する理解と実践、発展を促進するために1970年に設立された、米国に拠点を置く非営利組織です。CCLはリーダーシップ開発に必要なサポートをさまざまな業界に提供しており、リーダーシップ研究の世界的なパイオニアとして知られています。このシリーズでは、CCLの研究活動を通じて得られたインサイトから、不確実さや複雑さを増している中でリーダーがレジリエンスを構築すべき重要性と、レジリエンスを構築するうえで有用な「COREフレームワーク」のコンテンツを翻訳してご紹介します。

社会的接触

私たちのCOREフレームワークに含まれる、レジリエンス実践の最後の習慣は「社会的接触」です。これは、友人や家族、愛する人の身体に積極的に触れることを指します。社会的接触の例として、手をつなぐ、ハグをする、背中をたたく、抱き合う、動物をなでる、などがあります。些細なことのようですが、社会的接触を行うことは、社会情緒的ウェルビーイングに大きな影響を与える可能性があります。

例えば、ある研究では、友人やパートナーに身体を触れてもらった参加者は、触れてもらわなかった参加者よりも安心を感じていたと報告されています(Jakubiak & Feeney, 2016)。さらに別の研究では、社会的接触が、対人関係の対立をコントロールすること(ネガティブな感情が減少することで)を示しています(Murphy, Janicki-Deverts, & Cohen, 2018)。また、社会的接触は、コルチゾールの低下と免疫系の強化に関連していることもわかっています(Cohen, Janicki-Deverts, Turner, & Doyle, 2015)。

安心感の増幅や、対人関係での対立をコントロールすることなど、報告されている社会的接触による効果は、特にインパクトがあります。ただし、ハグやその他の身体的接触は安全な環境で行わなければならないことに注意が必要です。例えば、職場では、握手や合意に基づくハグなどの適切な社会的接触を行うことは可能でしょう。しかし、友人や恋人とハグをするといった、家庭で愛する人たちと社会的接触を行うことは、レジリエンスの向上に、より有益であると考えられます。

社会的接触を増やすためのヒント

社会的接触を通じてレジリエンスを強化するためのヒント:

  • 接触のルーチンをつくる。生活の中で十分なスキンシップをとっていますか?もし、とれていない場合は、普段の生活で身体的に触れ合う機会を増やす方法を考えてみてください。例えば、毎日仕事を始める前に愛する人にハグをすることを習慣にしたり、テレビを観ている時間を子どもやパートナー、家族を抱きしめる時間にあてたりしてみましょう。
  • 物理的に触れることができない場合は、想像力を働かせる。社会的接触を想像するだけでも有益であることを示唆する研究もあります。厳しい会議や、難しい対話があるときには、その前にまず5分間、愛する人があなたを長い時間抱きしめてくれたり、安心させるために手を握ってくれたりする様子を想像してみてください。これは、健康上の理由から身体的接触が制限されているときにも役立つテクニックです。
  • ペットと触れ合う。接触する人が周囲にいない場合でも、大丈夫です。動物とのふれあいにも同様の効果があるとする研究もあります。子猫にくっついたり、犬をなでたり、うさぎを抱きしめたりして、免疫力を高め、ストレスレベルを下げましょう。

Originally published by the Center for Creative Leadership in “Building Leadership Resilience: The CORE Framework” 
http://cclinnovation.org/wp-content/uploads/2020/12/researchinsights_1220_rev1.pdf

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