難病医療費助成制度における自己負担上限額

サイトへ公開: 2022年10月27日 (木)
指定難病の患者さんの医療費助成における自己負担上限額についてご紹介いたします。

難病医療費助成制度における自己負担上限額1)

国が定める「指定難病」の患者さんの医療費助成については、「難病医療費助成制度の概要と難病の定義」でご紹介しました。その難病医療費助成制度における自己負担上限額(月額)は、以下にお示しするように、患者さんの所得や納税額などの条件により異なります()。

  • 所得
  • 市町村民税
  • 一般、または高額かつ長期(後述)
  • 人工呼吸器等の装着者であるか

なお、難病医療費助成制度における特定医療費の支給は、医療保険制度と介護保険制度による給付が優先されます(保険優先制度)。その上で、特定医療費の支給認定を受けた患者さんは、指定医療機関での窓口負担が自己負担上限額までとなります。
さらに、自己負担上限額と患者負担割合の2割を比較して、自己負担上限額の方が上回る場合は、患者負担割合の2割が、患者さんの窓口での負担額になります。

表 医療費助成における自己負担上限額(月額、単位:円)1)

表 医療費助成における自己負担上限額(月額、単位:円)

 

「高額かつ長期」について1)

特定医療費の受給者のうち、所得の階層区分が一般所得Ⅰ以上で、支給認定を受けた指定難病にかかる月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある場合は、月額の医療費の自己負担がさらに軽減されます。

人工呼吸器装着者の負担上限月額2)

人工呼吸器やその他の生命の維持に必要な装置を装着していることにより特別の配慮を必要とする患者さんについては、負担上限月額は所得階層にかかわらず月額1,000円です。
対象となる要件は、支給認定を受けた指定難病により、
(1)継続して常時生命維持管理装置を装着する必要があり、かつ
(2)日常生活動作が著しく制限されていることで、次のような具体例が想定されています(要件に適合するかは個別に判断されます)。
1. 気管切開口または鼻マスクもしくは顔マスクを介して、人工呼吸器を装着している神経難病等の患者さん
2. 体外式補助人工心臓を装着している末期心不全等の患者さんなど

  1. 厚生労働省健康局. 難病対策の概要. https://www.mhlw.go.jp/content/000527525.pdf
  2. 難病情報センター. 指定難病患者への医療費助成制度のご案内. https://www.nanbyou.or.jp/
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