薬剤師の視点から考える他職種とのコミュニケーション

サイトへ公開: 2021年11月19日 (金)
チーム医療に欠かせない他職種とのコミュニケーションについて

病院薬剤師と薬局薬剤師が情報を共有し、地域の患者さんが安全な薬物治療を受けられるようサポートする薬薬連携の取り組みが各地で進んでいます。
今後、在宅医療が増えていくことが予想される中、薬薬連携はもちろんのこと、他職種との連携もますます重要になるでしょう。
しかしながら、他職種と積極的に情報交換を行っている薬剤師がいる一方で、他職種とのコミュニケーションを苦手に感じている薬剤師も少なくないように思います。そこで今回は、チーム医療に欠かせない他職種とのコミュニケーションについて考えてみます。

村尾 孝子 先生

Pharmacist
村尾 孝子 先生

株式会社スマイル・ガーデン 代表取締役
薬剤師
医療接遇コミュニケーションコンサルタント

治療に必要だと分かっていても他職種への情報共有をためらってしまう、忙しそうな相手に声をかけるタイミングが分からない、質問にすぐに答えられないかもしれない…。理由は様々だと思いますが、他職種との対話に苦手意識を持つ方にお勧めしたいのは、先方から声を掛けられるのを待つのではなく「自分から積極的に挨拶する」ことです。最初は恥ずかしいと思うかもしれませんが、勇気を出して自己紹介してみるのも効果的。何度も繰り返して顔と名前を覚えてもらえれば、ちょっとした会話ができるようになり、患者さん情報の共有も自然体で行えるようになるでしょう。「今、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」のように前置きするのが声掛けのコツ。ほんのちょっとの気遣いが、その後に続くコミュニケーションを円滑にします。医療者は現場では誰もが忙しくしていますから、一度や二度、反応が返ってこなくてもくじけないこと。自分から心を開いて、謙虚な気持ちで歩み寄ってほしいと思います。

また、他職種に対して「何を話せばいいのか分からない」という人は、最初から込み入った話をしよう、うまく話そう、と思いすぎているのかもしれません。失敗を恐れる気持ちが先に立って、ますますハードルが上がってしまいます。地域や天気など身近な話題から始めて、相手との人間関係を築く努力をしましょう。
医師や看護師など他職種とも気軽に話せる薬剤師が増えれば、地域でのチーム医療における薬剤師の役割がさらに大きくなると思います。

村尾 孝子 先生 監修

村尾 孝子 先生 監修

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