かかりつけ医の先生方のための IPF早期発見・早期診断プロジェクト

特発性肺線維症(IPF)は、徐々に肺の線維化が進行し、肺の構造が破壊される致死的な疾患です。症状がCOPDやその他の肺疾患と似ていることから見過ごされることも多く、稀な疾患でもあります。本プロジェクトは、日常診療においてIPFを疑うポイントや、専門医へご紹介いただく際に有用な情報を提供させていただくことで、IPFの早期発見・早期診断の一助となり、患者さんのQOL向上に寄与したいとの思いから発足いたしました。

『捻髪音』が聴取されましたら特発性肺線維症(IPF)診療施設へ ご紹介ください

 

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図1 捻髪音が聴取される部位

図1 捻髪音が聴取される部位

90%のIPF患者さんで『捻髪音』が聴取されます1)

  • ほとんどの特発性肺線維症(IPF)患者さんで、肺底部つまり下背部を聴取すると、吸気終末時に「バチバチ」あるいは「バリバリ」といった捻髪音が聴取でき、早期診断に有用とされています。
  • 深呼吸を繰り返したのちに再現性のある捻髪音を確認することが特発性肺線維症(IPF)を疑う根拠となります。
  • 特発性肺線維症(IPF)では、疾患が進行し病変が広がるにつれ、捻髪音が聴かれる領域も肺底部から上方へと広がっていきます。

 

捻髪音が実際にどのようなものか聞く

捻髪音1を聞く 捻髪音2を聞く

このような『捻髪音』が聴取されましたら特発性肺線維症(IPF)診療施設へご紹介ください。

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その他の所見


1. ばち指

  • 指の先端や爪部が幅広くなり、ばち状にふくれ丸い形状に変化します。
  • 頻度は30~60%とさまざまです1)

 

図2 ばち指
 

図2 ばち指

2. 胸部X線画像
•    主に両側下肺野での網状影や輪状影、すりガラス影や浸潤影などが認められますが、軽症例では認識できない場合もあります。このような場合には過去の胸部X線写真との比較が役立つことがあります(比較読影)。
※特発性肺線維症(IPF)においてはあまり広範ではない

図3 IPF発症前および診断時の胸部X線画像
 

図3 IPF発症前および診断時の胸部X線画像

IPFの病態および予後


1. IPFの病態
IPFは、慢性かつ進行性の経過をたどり、高度の線維化が進行して不可逆性の蜂巣肺形成をきたします。

図4 肺線維化の進行(高分解能CT)
 

肺線維化の進行図

2. IPFの予後
特発性肺線維症(IPF)患者さんの5年生存率は、海外の検討において20~40%と報告されており2)、様々ながんと比べても予後不良の疾患と言えます。

図4 IPF患者およびがん患者の5年生存率(海外データ)
 

患者およびがん患者の5年生存率図

対象:米国がん協会により発表されたがん患者*1[前立腺がん192,280例、皮膚がん74,610例、甲状腺がん 37,200例、乳がん194,280例、子宮がん(子宮頸がん11,270例、子宮体がん 42,160例) 53,430例、膀胱がん 70,980例、腎臓がん 57,760例、リンパ腫 74,490例、大腸がん 106,100例、白血病 44,790例、肺がん 219,440例、膵臓がん 42,470例]およびBjoraker JAにより報告されたIPF患者*2 104例
*1 American Cancer Society. Cancer Facts and Figures 2009. Atlanta, American Cancer Society, 2010.
*2 Bjoraker JA, et al. Am J Respir Crit Care Med 1998; 157: 199‒203.
方法:各対象患者の5年生存率について検討した

1) Kim DS. et al.: Proc Am Thorac Soc 2006; 3(4): 285-292.
2) du Bois RM.: Eur Respir Rev 2012; 21(124): 141-146.より改変
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。 

 

3. IPFの診断の遅れと予後
IPFでは、身体所見として「ばち指」や、胸部X線所見で横隔膜の挙上などが認められることがあります。これらは日常診療において見落とされることもあり、診断が遅れるケースもあります。海外の研究では、診断の遅れに伴う生存率の低下も示されており、早期の診断が重要となります。

図5 息切れ発症から専門医受診までの期間別の生存率(海外データ)
 

期間別の生存率図

【文献】
1)日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会編: 特発性間質性肺炎診断と治療の手引き, 改訂第3版, 2016, 南江堂
2)Kim DS, et al. Proc Am Thorac Soc 2006; 3: 285-292.
 

助成金プログラム

ベーリンガーインゲルハイムは、医療関係者の皆さまからヘルスケアに関連する研究等の提案を受け付けています。

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