INBUILD試験

INBUILD試験は、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)患者を対象として、オフェブの有効性及び安全性を検証した国際共同第Ⅲ相試験(検証試験)です1,2)

試験概要

図1 試験方法

図1 試験方法

試験デザイン:ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
 

実施地域:日本を含む15ヵ国、153施設

目的:進行性線維化を伴う間質性肺疾患患者におけるオフェブ150mg 1日2回投与の有効性と安全性を検討する。

対象:特発性肺線維症を除く進行性線維化を伴う間質性肺疾患の患者663例(日本人108例含む)

方法:対象患者をオフェブ群あるいはプラセボ群に1:1の比率でランダムに割り付け、試験薬を52週間投与し、有効性と安全性を検討した。中央判定したHRCTパターンに基づき、UIP様線維化パターン、又は他の線維化パターンにより層別化してランダム化を行った。用法・用量として150mgを1日2回投与した。投与期間は52週以降、本試験終了(最後の患者の最終観察終了時と定義)、又は投与中止の理由に該当するまでとし、割り付けられた試験薬を盲検下で継続投与した。有害事象への対応として、中断又は100mg 1日2回への減量を可能とした。

選択基準:

  1. 文書による同意が得られている
  2. 20歳以上である(日本)
  3. ILDと診断され、医師により適切と考えられた疾患管理を行ったにもかかわらずスクリーニング前の24ヵ月以内において次のⅰ)~ⅳ)のいずれかのILDの進行性の基準を満たす患者
    ⅰ)%FVCの10%以上の減少(相対変化量)がみられる
    ⅱ)%FVCの5%以上10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、呼吸器症状の悪化がある
    ⅲ)%FVCの5%以上10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、胸部画像上での線維化変化の増加がみられる
    ⅳ)呼吸器症状の悪化及び胸部画像上での線維化変化の増加がみられる
  4. スクリーニング前12ヵ月以内のHRCT(中央判定)上、肺の線維化(蜂巣肺所見の有無によらず、網状影又は牽引性気管支拡張を含む)が肺全野の10%超にみられる
    ・ 次の所見が一緒にみられる場合は許容される;すりガラス陰影、上肺野又は気管支血管束優位、モザイク様陰影、エアトラッピング、小葉中心性結節
    ・ 次の所見がないことが求められる;広範囲なコンソリデーション、進行性の塊状線維化
  5. 膠原病を有する場合、膠原病が安定している患者(スクリーニング前6週間以内に、膠原病の新たな治療を開始又は、治療を中止していない)
  6. ランダム化割り付け時点で%DLco(ヘモグロビンで補正)が30%以上80%未満である
  7. ランダム化割り付け時点で%FVCが45%以上である

主要評価項目:投与52週までのFVCの年間減少率(mL/年)

副次評価項目:52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間、52週間の死亡までの期間、投与52週時におけるK-BILD※1総スコアのベースラインからの変化量、投与52週時におけるL-PF symptoms※2呼吸困難ドメインスコアのベースラインからの変化量、投与52週時におけるL-PF symptoms※2咳嗽ドメインスコアのベースラインからの変化量など
 
その他の評価項目:
投与52週までのFVCのベースラインからの変化量 
全期間※3のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間、全期間※3の死亡までの期間など

解析計画:解析対象として、全患者(全体集団)及びHRCTでUIP様線維化パターンがみられる患者(HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団)の2つをco-primary評価集団と定義し、主要評価項目の解析はco-primary評価集団で実施した。主要評価項目の解析にはランダム係数回帰モデル(ランダム切片・傾き)を用いた。本モデルには、投与群、HRCTパターン(全体集団の解析のみ)、ベースライン時のFVC、投与群×時間及びベースライン値×時間の交互作用を固定効果として、患者個別の切片及び時間をランダム効果として含めた。

副次評価項目及びその他の評価項目の解析は、52週間及び全期間※3のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間、並びに52週間及び全期間※3の死亡までの期間については、log-rank検定(全体集団の解析のみHRCTパターンで層別化)を用いて解析し、投与群の項を含め、同じ因子で層別したCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)及びその95%信頼区間(CI)を求めた。投与52週時におけるK-BILD※1総スコア、L-PF symptoms※2呼吸困難ドメインスコア及びL-PF symptoms※2咳嗽ドメインスコアのベースラインからの変化量については、混合効果モデルによる反復測定法(MMRM)を用いた。この解析には、ベースライン値、HRCTパターン(全体集団の解析のみ)、来院、投与群×来院及びベースライン値×来院の交互作用を固定効果として含めた。

プラセボ投与に対するオフェブ150mg 1日2回投与の優越性の検証は、2つのco-primary評価集団で主要評価項目について検定を実施した。検定の多重性の調整にはHochberg法を用い、2つのco-primary評価集団でともに両側有意水準5%で有意であった場合、又はいずれかの集団で両側有意水準2.5%で有意であった場合に統計学的に有意とした。

主要評価項目について、次の部分集団解析を行うことが事前に規定された。性別(男性、女性)、年齢(65歳未満、65歳以上)、人種(白人、アジア人、黒人又はアフリカ系アメリカ人)、ベースライン時の%FVC(70%以下、70%超)、ILD臨床診断グループ[過敏性肺炎(過敏性肺臓炎)、特発性非特異性間質性肺炎、分類不能型特発性間質性肺炎、自己免疫性間質性肺疾患、他の間質性肺疾患]。全体集団ではさらに、主要評価項目について、HRCTパターンに基づく部分集団(HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団及びHRCTで他の線維化パターンがみられる集団)別の解析を行うことが事前に規定された。

※1 K-BILD(King’s Brief Interstitial Lung Disease Questionnaire):ILD患者に対する健康状態の質問票。質問票は3領域(息切れと活動、心理的症状、胸部症状)、計15個の質問から構成され、各質問に7段階で回答した結果からスコアが算出される(範囲0~100:高値ほど健康状態が良い)
※2 L-PF(Living with Pulmonary Fibrosis)symptomsスコア:肺線維症患者に対して開発された症状に関する23項目の質問票。①呼吸困難、②咳嗽、③疲労の3つの領域からなる質問に対して評価した結果から算出されるスコア(範囲0~100:高値ほど症状が重い)
※3 全期間:最後の患者の最終観察終了時
DLco:一酸化炭素肺拡散能、UIP:usual interstitial pneumonia、通常型間質性肺炎

 

INBUILD試験におけるILDの進行性の基準:線維化を伴うILDが進行性であるかどうかの決定は、現在までに適切なガイドラインはなく、臨床診療において、呼吸器症状の悪化が、呼吸機能の低下及び/又は胸部画像上での線維化の広がりを伴う場合に病態の進行と判断されています。INBUILD試験では、IPF以外のILDと診断され、胸部HRCTでの線維化の広がりが肺全野の10%超で確認され、かつ医師により適切と考えられた疾患管理を行ったにもかかわらずスクリーニング前の24ヵ月以内において次のi)~iv)のいずれかのILDの進行性の基準を満たす患者を対象としました。
i) %FVCの10%以上の減少(相対変化量)がみられる
ii) %FVCの5%以上、10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、呼吸器症状の悪化がある
iii) %FVCの5%以上、10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、胸部画像上での線維化変化の増加がみられる
iv) 呼吸器症状の悪化及び胸部画像上での線維化変化の増加がみられる

 

INBUILD試験におけるHRCTのUIP判定基準:HRCTパターンは、特発性肺線維症患者を対象としたオフェブの国際共同第Ⅲ相試験(INPULSIS-1及び-2試験)の基準に準拠し、治験実施計画書で規定された基準に従って中央判定で判定されました。
下記の基準A、BかつC、又は基準AかつC、又は基準BかつCのいずれかを満たす場合に、「UIP様線維化パターンがみられる患者」としました。

表1 INBUILD試験におけるHRCTのUIP判定基準

A 肺基底部及び末梢優位に明らかな蜂巣肺所見がみられる
B 肺基底部及び末梢優位の線維化に合致する網状影かつ牽引性気管支拡張の所見がみられる
C 特に結節影やコンソリデーションなどの非典型的な所見がないこと、すりガラス陰影が認められる場合は、網状影よりも広汎でないこと

 

結果-患者背景

表2 患者背景

表2 患者背景

表3 患者内訳

表3 患者内訳

表4 試験薬曝露及び投与状況

表4 試験薬曝露及び投与状況

表5 許容された投与量の減量及び投与中断期間

表5 許容された投与量の減量及び投与中断期間

6. 用法及び用量

通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mgの1日2回投与へ減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
〈効能共通〉

7.1 下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の中断後再開する場合は1回100mg、1日2回から再開することを検討すること。患者の状態に応じて1回150mg、1日2回へ増量することができる。再投与又は増量する場合は慎重に投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。

7.2 AST又はALTが基準値上限の3倍を超えた場合は、本剤の減量又は治療の中断を行い、十分な経過観察を行うこと。治療を中断し投与を再開する場合には、AST又はALTが投与前の状態に回復した後、1回100mg、1日2回から投与することとし、患者の状態に応じて1回150mg、1日2回へ増量することができる。再投与又は増量する場合には慎重に投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。[8.1、11.1.2参照]

 

結果-有効性

INBUILD試験により、進行性線維化を伴う間質性肺疾患患者における呼吸機能低下をプラセボに対して有意に※1抑制することが検証されました(p<0.0001、ランダム係数回帰モデル)1,2)

投与52週までのFVCの年間減少率:主要評価項目

2つのco-primary評価集団において、オフェブ群は、プラセボ群に対してFVCの年間減少率の低下を統計学的に有意に抑制しました。(検証的な解析結果)

全体集団:投与52週までのFVCの年間減少率は、オフェブ群-80.8mL/年、プラセボ群-187.8mL/年でした(群間差:107.0mL/年、95%CI:65.4-148.5、p<0.0001)。

HRCTでUIP様線維化パターンがみられた患者集団(co-primary評価集団):投与52週までのFVCの年間減少率は、オフェブ群-82.9mL/年、プラセボ群-211.1mL/年でした(群間差:128.2mL/年、95%CI:70.8-185.6、p<0.0001)。
※ ランダム係数回帰モデルにより推定

図2 投与52週までのFVCの年間減少率

図2 投与52週までのFVCの年間減少率

統計解析手法:投与52週までのFVCの年間減少率
ランダム係数回帰モデルにより推定:投与群、HRCTパターン(全体集団の解析のみ)、ベースライン時のFVC、投与群×時間及びベースライン値×時間の交互作用を固定効果として、患者個別の切片及び時間をランダム効果として含めた。

5. 効能又は効果に関連する注意
〈進行性線維化を伴う間質性肺疾患〉
5.2「 17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、肺機能、呼吸器症状及び胸部画像所見の総合的な評価により進行性線維化が認められる間質性肺疾患患者に本剤を投与すること。 

投与52週までのFVCのベースラインからの変化量:その他の評価項目

図3 52週間におけるFVCのベースラインからの変化量の推移:全体集団

図3 52週間におけるFVCのベースラインからの変化量の推移:全体集団

図4 52週間におけるFVCのベースラインからの変化量の推移:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

図4 52週間におけるFVCのベースラインからの変化量の推移:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

各部分集団における投与52週までのFVCの年間減少率:部分集団解析

投与52週までのFVCの年間減少率を各部分集団において解析した結果、オフェブのFVC低下抑制効果は以下のとおりでした。
※ ランダム係数回帰モデルにより推定

図5 各部分集団における投与52週までのFVCの年間減少率

図5 各部分集団における投与52週までのFVCの年間減少率

HRCTパターン別の投与52週までのFVCの年間減少率:部分集団解析

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団及びHRCTで他の線維化パターンがみられる集団において投与52週までのFVCの年間減少率を解析した結果、オフェブのFVC低下抑制効果は以下のとおりでした。
※ ランダム係数回帰モデルにより推定

 

図6 HRCTパターンに基づく部分集団における投与52週までのFVCの年間減少率

図6 HRCTパターンに基づく部分集団における投与52週までのFVCの年間減少率

52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:副次評価項目

全体集団:

52週間のILDの初回急性増悪又は死亡に至った期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.80(95%CI:0.48-1.34、層別Cox回帰モデル)でした(p=0.3948、層別log-rank検定)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

52週間のILDの初回急性増悪又は死亡に至った期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.67(95%CI:0.36-1.24、Cox回帰モデル)でした(p=0.1985、log-rank検定)。

図7 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:全体集団

図7 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:全体集団

ハザード比0.80(95%CI:0.48-1.34、層別Cox回帰モデル)、p=0.3948、層別log-rank検定

図8 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

図8 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

ハザード比0.67(95%CI:0.36-1.24、Cox回帰モデル)、p=0.1985、log-rank検定

表6 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡例の割合

表6 52週間のILDの初回急性増悪又は死亡例の割合

統計解析手法:52週間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間のハザード比
log-rank検定(全体集団の解析のみHRCTパターンで層別化)を用いて解析し、投与群の項を含め、同じ因子で層別したCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)及びその95%信頼区間(CI)を求めた。

■ILDの急性増悪
ILDの急性増悪は、新たな広範な肺胞陰影を特徴とする急性で臨床的に有意な呼吸状態の悪化であり、以下のすべてを満たすことと定義する。

●過去あるいは増悪時のILDの診断
●通常1ヵ月以内の急性の悪化又は呼吸困難の進行
●コンピュータ断層撮影(CT)で、線維化を伴うILDに合致した背景パターンに加え、両側性のすりガラス陰影かつ/あるいはコンソリデーションの出現
●心不全あるいは体液過剰のみでは説明できない悪化

52週間の死亡までの期間:副次評価項目

全体集団:

投与52週までに死亡に至った患者の割合はオフェブ群4.8%、プラセボ群5.1%でした。死亡までの期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.94(95%CI:0.47-1.86、層別Cox回帰モデル)でした(p=0.8544、層別log-rank検定)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

投与52週までに死亡に至った患者の割合はオフェブ群5.3%、プラセボ群7.8%でした。死亡までの期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.68(95%CI:0.32-1.47、Cox回帰モデル)でした(p=0.3291、log-rank検定)。

表7

表7 52週間の死亡までの期間のハザード比

統計解析手法:52週間の死亡までの期間のハザード比
log-rank検定(全体集団の解析のみHRCTパターンで層別化)を用いて解析し、投与群の項を含め、同じ因子で層別したCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)及びその95%信頼区間(CI)を求めた。

全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:その他の評価項目

全体集団:

全期間のILDの初回急性増悪又は死亡に至った期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.67(95%CI:0.46-0.98、層別Cox回帰モデル)でした(p=0.0387、層別log-rank検定)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

全期間のILDの初回急性増悪又は死亡に至った期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.62(95%CI:0.39-0.97、Cox回帰モデル)でした(p=0.0342、log-rank検定)。
※ 全期間:最後の患者の最終観察終了時

 

 

図9 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:全体集団

図9 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:全体集団

ハザード比0.67(95%CI:0.46-0.98、層別Cox回帰モデル)、p=0.0387、層別log-rank検定

図10 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

図10 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間:HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団)

ハザード比0.62(95%CI:0.39-0.97、Cox回帰モデル)、p=0.0342、log-rank検定

表8 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡例の割合

表8 全期間のILDの初回急性増悪又は死亡例の割合

統計解析手法:全期間のILDの初回急性増悪又は死亡までの期間のハザード比

log-rank検定(全体集団の解析のみHRCTパターンで層別化)を用いて解析し、投与群の項を含め、同じ因子で層別したCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)及びその95%信頼区間(CI)を求めた。

 

全期間の死亡までの期間:その他の評価項目

全体集団:

全期間で死亡に至った患者の割合はオフェブ群10.8%、プラセボ群13.6%でした。死亡までの期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.78(95%CI:0.50-1.21、層別Cox回帰モデル)でした(p=0.2594、層別log-rank検定)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

全期間で死亡に至った患者の割合はオフェブ群12.1%、プラセボ群17.5%でした。死亡までの期間において、オフェブ群とプラセボ群のハザード比は0.66(95%CI:0.40-1.10、Cox回帰モデル)でした(p=0.1078、log-rank検定)。
※ 全期間:最後の患者の最終観察終了時

 

表9

表9 その他の評価項目

統計解析手法: 全期間の死亡までの期間のハザード比

log-rank検定(全体集団の解析のみHRCTパターンで層別化)を用いて解析し、投与群の項を含め、同じ因子で層別したCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)及びその95%信頼区間(CI)を求めた。

<参考情報> 投与52週時におけるK-BILD※1総スコアのベースラインからの変化量:副次評価項目

全体集団:

投与52週時におけるK-BILD※1総スコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群0.55、プラセボ群-0.79、群間差は1.34(95%CI:-0.31-2.98)でした(p=0.1115)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

投与52週時におけるK-BILD※1総スコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群0.75、プラセボ群-0.78、群間差は1.53(95%CI:-0.68-3.74)でした(p=0.1747)。
※1 K-BILD(King’s Brief Interstitial Lung Disease Questionnaire):ILD患者に対する健康状態の質問票。質問票は3領域(息切れと活動、心理的症状、胸部症状)、計15個の質問から構成され、各質問に7段階で回答した結果からスコアが算出される(範囲0~100:高値ほど健康状態が良い)
※2 MMRMにより推定

 

図11 投与52週時におけるK-BILD総スコアのベースラインからの変化量

図11 投与52週時におけるK-BILD総スコアのベースラインからの変化量

統計解析手法:投与52週時におけるK-BILD総スコアのベースラインからの変化量

MMRMにより推定:ベースライン値、HRCTパターン(全体集団の解析のみ)、来院、投与群×来院の交互作用、ベースライン値×来院の交互作用、患者のランダム効果を固定効果としてMMRMに含めた。

<参考情報> 投与52週時におけるL-PF symptoms※1ドメインスコアのベースラインからの変化量:副次評価項目

全体集団:

投与52週時におけるL-PF symptoms※1呼吸困難ドメインスコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群4.3、プラセボ群7.8、群間差は-3.5(95%CI:-6.1--0.9)でした(p=0.0081)。また、咳嗽ドメインスコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群-1.8、プラセボ群4.3、群間差は-6.1(95%CI:-9.7--2.5)でした(p=0.0008)。

HRCTでUIP様線維化パターンのみがみられる集団(co-primary評価集団):

投与52週時におけるL-PF symptoms※1呼吸困難ドメインスコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群4.1、プラセボ群8.3、群間差は-4.2(95%CI:-7.5--0.9)でした(p=0.0132)。また、咳嗽ドメインスコアのベースラインからの平均変化量※2はオフェブ群-3.2、プラセボ群4.1、群間差は-7.3(95%CI:-11.9--2.7)でした(p=0.0019)。
※1 L-PF(Living with Pulmonary Fibrosis)symptomsスコア:肺線維症患者に対して開発された症状に関する23項目の質問票。①呼吸困難、②咳嗽、③疲労の3つの領域からなる質問に対して評価した結果から算出されるスコア(範囲0~100:高値ほど症状が重い)
※2 MMRMにより推定

図12 投与52週時におけるL-PF Symptoms呼吸困難ドメインスコアのベースラインからの変化量

図12 投与52週時におけるL-PF Symptoms呼吸困難ドメインスコアのベースラインからの変化量

図13 投与52週時におけるL-PF Symptoms咳嗽ドメインスコアのベースラインからの変化量

図13 投与52週時におけるL-PF Symptoms咳嗽ドメインスコアのベースラインからの変化量

統計解析手法:

投与52週時におけるL-PF Symptomsドメインスコアのベースラインからの変化量
MMRMにより推定:ベースライン値、HRCTパターン(全体集団の解析のみ)、来院、投与群×来院の交互作用、ベースライン値×来院の交互作用、患者のランダム効果を固定効果としてMMRMに含めた。

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈進行性線維化を伴う間質性肺疾患〉

5.2「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、肺機能、呼吸器症状及び胸部画像所見の総合的な評価により進行性線維化が認められる間質性肺疾患患者に本剤を投与すること。

 

結果-安全性

全体集団での全期間における有害事象は、オフェブ群332例中326例(98.2%)、プラセボ群331例中308例(93.1%)に認められました1,2)

全期間※1における有害事象

オフェブ群における重篤な有害事象※2は147例に認められ、主なものは肺炎24例、間質性肺疾患19例、急性呼吸不全16例でした。オフェブ群における投与中止に至った有害事象は73例に認められ、主なものは下痢21例、ALT増加6例、薬物性肝障害5例でした。オフェブ群における死亡に至った有害事象は21例に認められ、内訳は急性呼吸不全4例、呼吸不全3例、肺炎2例、間質性肺疾患、肺線維症、間質性肺疾患・呼吸不全、冠動脈硬化症、敗血症性ショック、肺感染・肺線維症、肺敗血症、細菌性敗血症・急性呼吸不全、うっ血性心不全、心停止、心不全、死亡が各1例でした。

主な有害事象(いずれかの治療群で発現率5%超の有害事象)を表に示します。

表10 全期間※1におけるいずれかの治療群で発現率5%超の有害事象

表10 全期間※1におけるいずれかの治療群で発現率5%超の有害事象

※1 全期間:最後の患者の最終観察終了時
※2 患者1名を複数の重篤度分類基準でカウントしている場合がある

文献
1)Flaherty KR. et al.: N Engl J Med 2019; 381(18): 1718-1727.
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。
2)社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(1199.247試験)[承認時評価資料]

 

臨床研究助成プログラム

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