ジャディアンス錠10mgの有効性と安全性-糖尿病の有無別解析-

サイトへ公開: 2022年10月27日 (木)
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図1

ジャディアンス錠10mgの有効性と安全性 02

『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』では、糖尿病の罹患自体が、心不全リスクステージ分類においてステージAに該当し、無症候であっても心血管疾患の高リスク群であれば早期に治療介入することが推奨されています。
また、日本糖尿病協会が刊行したコンセンサスステートメントにおいても糖尿病を持つ人は症状がなくても、将来の心不全のリスクが高い「前心不全状態」と考えられており、心不全の評価と適切な治療が重要であると記載されています。

図2

ジャディアンス錠10mgの有効性と安全性 03

本邦で2015年に「2型糖尿病」の効能又は効果で発売されたジャディアンスは、2021年に「慢性心不全」の適応追加が承認され、2022年には電子添文の改訂により左室駆出率(LVEF)の保たれた慢性心不全患者さんにもご使用いただけることとなりました。
※ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

図3

EMPEROR-Preserved試験(糖尿病の有無別解析)

試験概要

目的 EMPEROR-Preserved試験の事前規定されたサブグループ解析として、ベースラインの糖尿病の有無別および糖尿病の状況別のジャディアンスの有効性を評価する。
対象 EMPEROR-Preserved試験に参加したLVEF>40%の慢性心不全患者5,988例。(ベースラインの糖尿病あり:2,938例、糖尿病なし:3,050例)。
解析計画

ジャディアンス10mgをACE阻害薬、ARB、ARNI、β遮断薬、MRA等が投与されていた患者に追加して1日1回経口投与した時の心血管死および心不全による入院(HHF)のリスクに対する有効性および安全性をプラセボと比較検討したEMPEROR-Preserved試験において、事前規定されたベースラインの糖尿病の有無別および糖尿病の状況(糖尿病・前糖尿病・正常血糖)別のサブグループ解析を行った。

心血管死またはHHFの解析には、主解析と同様の因子を含めたCox回帰分析を用いた。Intention-to-treat(ITT)の原則に従い、無作為化割り付けされた全患者の、予定された治験薬投与期間終了までの全てのデータ(予定どおりに治験薬投与期間を完了しなかった患者の治験薬投与終了後のデータを含む)を使用した。

HHFの解析には、再発HHFと心血管死との間の依存性を考慮に入れるためJoint Frailtyモデルを用いた。

eGFRのベースラインからの変化の傾きの解析には、患者ごとのランダムな切片およびランダムな傾きを考慮したランダム係数モデルを用いた。

その他の評価項目は、MMRMを用いて解析された。

各解析に含める共変数はCox回帰分析と同様のものとしたが、サブグループ間の一貫性評価の際は、サブグループと投与群の交互作用を追加した。

有効性評価項目

[主要評価項目]

心血管死またはHHFの初回発現までの期間

[重要な副次評価項目]

HHF(初回および再発)の発現、eGFR(CKD-EPI)crのベースラインからの変化の傾き

[その他の副次評価項目(探索的)]

初回HHFまでの期間、心血管死までの期間、理由を問わない死亡までの期間、腎の複合評価項目イベント(慢性透析、腎移植、または持続的なeGFR(CKD-EPI)crの低下のいずれか)、KCCQ-CSSのベースラインから52週までの変化

[その他の評価項目(探索的)]

NTーproBNP・HbA1c・収縮期血圧・体重のベースラインからの経時的変化

安全性評価項目 有害事象、特定の有害事象(尿路感染、性器感染、体液量減少、低血圧、低血糖事象、骨折、尿路の悪性腫瘍等)、身体所見、臨床検査値、バイタルサイン
全体集団の
主要評価項目の結果
心血管死またはHHFはジャディアンス群の415例(13.8%)、プラセボ群の511例(17.1%)に発現した。
プラセボ群に対するジャディアンス群のハザード比は0.79(95%信頼区間:0.69~0.90)、p<0.001(Cox比例ハザード回帰モデル)であり、ジャディアンス群の優越性が検証された。

LVEF:左室駆出率、eGFR(CKD-EPI)cr:Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement(CKD-EPI式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、MMRM:Mixed-effects Models for Repeated Measures、
KCCQ-CSS:カンザスシティ心筋症質問票-臨床サマリースコア

効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(電子添文改訂時の評価資料)
Filippatos G, et al.: Circulation. 2022; Jun 28; 101161CIRCULATIONAHA122059785. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

LVEFが保たれた慢性心不全患者を対象に、ジャディアンス10mgの心血管死または心不全による入院(HHF)に対する長期的な有効性および安全性をプラセボと比較検討した、国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPEROR-Preserved試験)の事前規定されたサブグループ解析として、ベースラインの糖尿病有無別の有効性および安全性を評価した成績を紹介します。
本試験では、LVEF40%超の慢性心不全患者5,988例(うちベースラインでの糖尿病非合併:3,050例、糖尿病合併:2,938例)を対象としました。
本試験の主要評価項目は心血管死またはHHFの初回発現までの期間、重要な副次評価項目はHHF(初回および再発)の発現等でした。

図4

EMPEROR-Preserved試験(糖尿病の有無別解析)

主要評価項目である心血管死またはHHFの初回発現までの期間をベースラインの糖尿病の有無別に解析した結果、ベースラインでの糖尿病合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.79(95%CI:0.67~0.94)、ベースラインでの糖尿病非合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.78(95%CI:0.64~0.95)で、ジャディアンス10mgはプラセボに対し、ベースラインの糖尿病の有無に関わらず、心血管死またはHHFの初回発現のリスクを低下させました[Cox比例ハザード回帰モデル]。

図5

EMPEROR-Preserved試験(糖尿病の有無別解析)02

重要な副次評価項目であるHHF(初回および再発)の発現をベースラインの糖尿病の有無別に解析した結果、ベースラインでの糖尿病合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.73(95%CI:0.57~0.94)、ベースラインでの糖尿病非合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.74(95%CI:0.56~0.97)でした[Joint Frailtyモデル]。

図6

EMPEROR-Preserved試験(糖尿病の有無別解析)

有害事象の概要

ジャディアンス10mg
(n=2,996)

n/N(%)
プラセボ
(n=2,989)

n/N(%)

すべての有害事象

糖尿病非合併

糖尿病合併

1,302/1,531(85.0)

1,272/1,465(86.8)

1,302/1,518(85.8)

1,283/1,471(87.2)

投与中止に至った有害事象

糖尿病非合併

糖尿病合併

281/1,531(18.4)

290/1,465(19.8)

263/1,518(17.3)

288/1,471(19.6)

重篤な有害事象

糖尿病非合併

糖尿病合併

704/1,531(46.0)

732/1,465(50.0)

745/1,518(49.1)

798/1,471(54.2)

低血圧

糖尿病非合併

糖尿病合併

174/1,531(11.4)

137/1,465(9.4)

135/1,518(8.9)

122/1,471(8.3)

体液量減少

糖尿病非合併

糖尿病合併

195/1,531(12.7)

161/1,465(11.0)

149/1,518(9.8)

137/1,471(9.3)

急性腎不全

糖尿病非合併

糖尿病合併

133/1,531(8.7)

230/1,465(15.7)

162/1,518(10.7)

222/1,471(15.1)

下肢切断

糖尿病非合併

糖尿病合併

1/1,531(0.1)

15/1,465(1.0)

2/1,518(0.1)

21/1,471(1.4)

性器感染

糖尿病非合併

糖尿病合併

30/1,531(2.0)

37/1,465(2.5)

8/1,518(0.5)

14/1,471(1.0)

尿路感染

糖尿病非合併

糖尿病合併

149/1,531(9.7)

148/1,465(10.1)

112/1,518(7.4)

131/1,471(8.9)

低血糖事象

正常血糖

前糖尿病

糖尿病合併

6/530(1.1)

4/1,001(0.4)

63/1,465(4.3)

5/539(0.9)

7/979(0.7)

66/1,471(4.5)

重篤な低血糖事象

正常血糖

前糖尿病

糖尿病合併

1/530(0.2)

1/1,001(0.1)

22/1,465(1.5)

0/539

2/979(0.2)

18/1,471(1.2)

糖尿病性ケトアシドーシス

正常血糖

前糖尿病

糖尿病合併

0/530

0/1,001

4/1,460(0.3)

0/539

0/979

5/1,466(0.3)

試験薬中止から7日以内に認められた有害事象を示す。ただし下肢切断については全期間での発現状況を示す。注目すべき有害事象の検索は、あらかじめ設定された基本語のリストに基づく。
※重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象および死亡に至った有害事象の内訳は、文献に記載がなかった。
*血糖値70 mg/dL以下または介助を必要とした低血糖症と定義した。
† 介助を必要とした低血糖症エピソードと定義した。

効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(電子添文改訂時の評価資料)
Filippatos G, et al.: Circulation. 2022; Jun 28; 101161CIRCULATIONAHA122059785.(Suppl) 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

ベースラインの糖尿病の有無別の解析における有害事象発現割合は、糖尿病非合併のジャディアンス群で85.0%、プラセボ群で85.8%、糖尿病合併のジャディアンス群で86.8%、プラセボ群で87.2%でした。
投与中止に至った有害事象の発現割合は、それぞれ18.4%、17.3%、19.8%、19.6%、重篤な有害事象発現割合は、それぞれ46.0%、49.1%、50.0%、54.2%でした。
また、注目すべき有害事象のうち、いずれかの群で発現割合が10%以上となった有害事象は、ベースラインでの糖尿病非合併例のジャディアンス群、プラセボ群、ベースラインでの糖尿病合併例のジャディアンス群、プラセボ群でそれぞれ、低血圧11.4%、8.9%、9.4%、8.3%、体液量減少12.7%、9.8%、11.0%、9.3%、急性腎不全8.7%、10.7%、15.7%、15.1%、尿路感染9.7%、7.4%、10.1%、8.9%でした。

図7

EMPEROR-Reduced試験(糖尿病の有無別解析)

試験概要

目的 EMPEROR-Reduced試験の事前規定されたサブグループ解析として、ベースラインの糖尿病の有無別および糖尿病の状態別のジャディアンスの有効性を評価する。
対象

EMPEROR-Reduced試験に参加したLVEF≦40%の慢性心不全患者3,730例(ベースラインの糖尿病*合併:1,856例、糖尿病非合併**:1,874例)。

*糖尿病は、糖尿病の診断歴がある場合または治療前のHbA1cが1回でも6.5%以上(48 mmol/mol以上)である場合と定義された。

**糖尿病非合併とされた患者は、さらに前糖尿病(治療前のHbA1c:5.7-6.4%)、正常血糖(治療前の全HbA1c<5.7%)に分類された。

解析計画

心血管死または心不全による入院(HHF)の解析には、主解析と同様の因子を含めたCox回帰分析を用いた。Intention-to-treat(ITT)の原則に従い、無作為化割り付けされた全患者の、予定された治験薬投与期間終了までのすべてのデータ(予定どおりに治験薬投与期間を完了しなかった患者の治験薬投与終了後のデータを含む)を使用した。

HHFの解析には、心血管死を競合リスクとしたJoint Frailtyモデルを用いた。

eGFRのベースラインからの変化の傾きの解析には、患者ごとのランダムな切片およびランダムな傾きを考慮したランダム係数モデルを用いた。

eGFR変化量、KCCQスコア、バイタルサイン、臨床検査値は、ベースラインからの変化量に基づき、MMRMを用いて解析された。

各解析に含める共変数はCox回帰分析と同様のものとしたが、サブグループ間の一貫性評価の際は、サブグループと投与群の交互作用を追加した。

事前に定められた解析計画に従い、糖尿病有無別の比較による治療効果への影響が第一に解析された。さらに糖尿病合併、前糖尿病、正常血糖のカテゴリ間でジャディアンスの有効性が評価され、さらに探索的解析として、ベースラインのHbA1cを連続変数としたジャディアンスの心血管死またはHHFに対する影響を評価した。

EMPEROR-Reducedの主要評価項目 心血管死またはHHFの初回発現までの期間
評価項目 心血管死またはHHFの初回発現までの期間、HHF(初回および再発)の発現、eGFR(CKD-EPI)crのベースラインからの変化の傾き、腎の複合評価項目イベント(慢性透析、腎移植、または持続的なeGFR(CKD-EPI)crの低下のいずれか)の初回発現までの期間等
EMPEROR-Reducedの主要評価項目の結果 心血管死またはHHFはジャディアンス群の361例(19.4%)、プラセボ群の462例(24.7%)に発現した。
プラセボ群に対するジャディアンス群のハザード比は0.75(95%信頼区間:0.65~0.86)、p<0.001であり、ジャディアンス群の優越性が検証された。

LVEF:左室駆出率、eGFR(CKD-EPI)cr:Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement(CKD-EPI式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、MMRM:Mixed-effects Models for Repeated Measures、
KCCQ:カンザスシティ心筋症質問票

効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
Anker SD, et al.: Circulation. 2021; 143(4): 337-49. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

LVEFが低下した慢性心不全患者を対象に、ジャディアンス10mgの心血管死またはHHFのリスクに対する長期的な有効性および安全性をプラセボと比較検討した、国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPEROR-Reduced試験)の事前規定されたサブグループ解析として、ベースラインの糖尿病有無別の有効性および安全性を評価した成績を紹介します。
本試験では、LVEF40%以下の慢性心不全患者3,730例(うちベースラインでの糖尿病非合併:1,874例、糖尿病合併:1,856例)を対象としました。
主要評価項目は心血管死またはHHFの初回発現までの期間であり、重要な副次評価項目はHHF(初回および再発)の発現等でした。

図8

EMPEROR-Reduced試験(糖尿病の有無別解析)01

主要評価項目である心血管死またはHHFの初回発現までの期間をベースラインの糖尿病の有無別に解析した結果、ベースラインでの糖尿病合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.72(95%CI:0.60~0.87、p=0.0006)、ベースラインでの糖尿病非合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.78(95%CI:0.64~0.97、p=0.0225)で、ジャディアンス10mgはプラセボに対し、ベースラインの糖尿病の有無に関わらず、心血管死またはHHFの初回発現のリスクを低下させました[Cox比例ハザード回帰モデル]。

図9

EMPEROR-Reduced試験(糖尿病の有無別解析)02

重要な副次評価項目であるHHF(初回および再発)の発現をベースラインの糖尿病の有無別に解析した結果、ベースラインでの糖尿病合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.65(95%CI:0.50~0.85)、ベースラインでの糖尿病非合併例におけるジャディアンス10mg群のプラセボ群に対するハザード比は0.76(95%CI:0.57~1.01)でした[Joint Frailtyモデル]。

図10

有害事象の概要

ジャディアンス(n=1,863) プラセボ(n=1,863)
n/N(%) 100患者年ごとの n/N(%) 100患者年ごとの
発生率 発生率
重篤な有害事象
 糖尿病非合併 375/936(40.1) 42.6 439/937(46.9) 52.8
 糖尿病合併 397/927(42.8) 45.1 457/926(49.4) 57.6
投与中止に至った有害事象  
 糖尿病非合併 147/936(15.7) 13 152/937(16.2) 13.5
 糖尿病合併 175/927(18.9) 15.6 176/926(19.0) 15.8
低血圧
糖尿病非合併 85/936(9.1) 7.93 91/937(9.7) 8.61
糖尿病合併 91/927(9.8) 8.51 72/926(7.8) 6.78
体液量減少
糖尿病非合併 94/936(10.0) 8.84 100/937(10.7) 9.54
糖尿病合併 103/927(11.1) 9.68 84/926(9.1) 7.99
急性腎障害
糖尿病非合併 77/936(8.2) 7.07 94/937(10.0) 8.74
糖尿病合併 98/927(10.6) 9.2 98/926(10.6) 9.29
確認された低血糖イベント
正常血糖 1/304(0.3) 0.27 1/302(0.3) 0.26
前糖尿病 6/632(0.9) 0.79 5/635(0.8) 0.67
糖尿病合併 20/927(2.2) 1.79 22/926(2.4) 2.00
重度な低血糖イベント
正常血糖 0/304 0/302
前糖尿病 0/632 0/635
糖尿病合併 6/927(0.6) 0.53 7/926(0.8) 0.63
糖尿病性ケトアシドーシス
 正常血糖 0/304 0/302
 前糖尿病 0/632 0/635
 糖尿病合併 0/927 0/926
下肢切断
 糖尿病非合併 1/936(0.1) 0.08 1/937(0.1) 0.08
 糖尿病合併 12/927(1.3) 0.94 9/926(1.0) 0.7
骨折
 糖尿病非合併 25/936(2.7) 2.23 16/937(1.7) 1.42
 糖尿病合併 20/927(2.2) 1.79 26/926(2.8) 2.36
高カリウム血症
 糖尿病非合併 48/936(5.1) 4.37 53/937(5.7) 4.87
 糖尿病合併 61/927(6.6) 5.67 74/926(8.0) 7.01
性器感染症
 糖尿病非合併 13/936(1.4) 1.15 8/937(0.9) 0.71
 糖尿病合併 18/927(1.9) 1.62 4/926(0.4) 0.36
尿路感染症
 糖尿病非合併 39/936(4.2) 3.52 34/937(3.6) 3.06
 糖尿病合併 52/927(5.6) 4.74 49/926(5.3) 4.47

試験薬中止から7日以内に認められた有害事象を示す。ただし下肢切断については全期間での発現状況を示す。
注目すべき有害事象の検索は、あらかじめ設定された基本語のリストに基づいている。
* 血糖値≦70mg/dLまたは介助を要する事象。
†介助を要する事象。
‡MedDRAの基本語:高カリウム血症、または血中カリウム増加と定義した。
※重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象および死亡に至った有害事象の内訳について文献に記載がなかった。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
Anker SD, et al.: Circulation. 2021; 143(4): 337-49. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。

ベースラインの糖尿病の有無別の解析における重篤な有害事象発現割合は、糖尿病非合併のジャディアンス群で40.1%、プラセボ群で46.9%、糖尿病合併のジャディアンス群で42.8%、プラセボ群で49.4%、投与中止に至った有害事象の発現割合は、それぞれ15.7%、16.2%、18.9%、19.0%でした。
また、注目すべき有害事象のうち、いずれかの群で発現割合が10%以上となった有害事象は、ベースラインでの糖尿病非合併例のジャディアンス群、プラセボ群、ベースラインでの糖尿病合併例のジャディアンス群、プラセボ群でそれぞれ、体液量減少10.0%、10.7%、11.1%、9.1%、急性腎障害8.2%、10.0%、10.6%、10.6%でした。

図11

有害事象の概要

慢性心不全に対するジャディアンスの用法及び用量は、2型糖尿病に対する通常用量と同じく、1日1回10mgの経口投与です。慢性心不全への適応は10mg1用量であり、朝食前または朝食後のどちらでも服用可能です。
※ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

図12

有害事象の概要02

EMPEROR-Preserved試験およびEMPEROR-Reduced試験の、糖尿病の有無別解析の結果より、糖尿病を合併している患者さん、合併していない患者さんに対しても、ジャディアンス10mgの心血管死またはHHFのリスクに対する有効性が示されました1,2
糖尿病合併の有無を問わず、慢性心不全患者さんに対してジャディアンス10mgの投与をご検討ください。

※ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

【引用】

  1. Filippatos G, et al.: Circulation. 2022; Jun 28; 101161CIRCULATIONAHA122059785. 
  2. Anker SD, et al.: Circulation. 2021; 143(4): 337-49. 
    本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。
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