日本人サブグループ解析_EMPEROR試験
![日本人の慢性心不全※に対するジャディアンスの有効性と安全性 ※ただし、慢性心不全の標準的治療を受けている患者に限る 02](/jp/sites/default/files/inline-images/JAD_CHF_038_thumbnail_0.jpg)
![日本人の慢性心不全※に対するジャディアンスの有効性と安全性 ※ただし、慢性心不全の標準的治療を受けている患者に限る 02](/jp/sites/default/files/inline-images/0317_jad_jan_deta_con_sra%20%281%29.jpg)
左室駆出率(LVEF)が保たれていても、低下していても、心不全患者の予後のリスクは同程度に高い
![左室駆出率(LVEF)が保たれていても、低下していても、心不全患者の予後のリスクは同程度に高い02](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-01_0.jpg)
国内の前向き観察研究JCARE-CARDにて、左室駆出率(LVEF)が保たれた心不全患者とLVEFが低下した心不全患者の予後のリスクは同程度に高いことが示されました。
心不全は、LVEFにかかわらず、適切な治療が望まれる疾患であることがわかります。
国内では、近年、LVEFが保たれた心不全患者の割合が上がっている
![国内では、近年、LVEFが保たれた心不全患者の割合が上がっている](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-02_0.jpg)
また、心不全レジストリー研究のデータでは、近年ではLVEF 40%以上の心不全患者が多くなっていることが示されました。
![国内では、近年、LVEFが保たれた心不全患者の割合が上がっている02](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-03_0.jpg)
ジャディアンスは、2021年11月の慢性心不全※治療の適応追加から1周年を迎えました。2022年4月にはLVEFが保たれた慢性心不全に対する有効性の評価が追加され、国内の慢性心不全※の患者さんに対してLVEFを問わず処方していただける薬剤となりました。
今回、日本人のLVEFが保たれた慢性心不全患者と、LVEFが低下した慢性心不全患者に対するジャディアンスの有効性と安全性について、EMPEROR-Preserved試験、EMPEROR-Reduced試験の日本人集団のサブグループ解析を紹介します。
※ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
EMPEROR-Preserved試験/EMPEROR-Reduced試験
(サブグループ解析:日本人集団)の試験概要
EMPEROR-Preserved試験(日本人集団)
左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした
国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPEROR-Preserved試験)
[サブグループ解析:日本人集団]
試験概要
目的 |
EMPEROR-Preserved試験の事前規定されたサブグループ解析として、日本人集団†におけるジャディアンスの有効性と安全性を評価する。 |
対象 |
EMPEROR-Preserved試験に参加したLVEF>40%慢性心不全患者5,988例のうち、日本人集団417例。 |
解析計画 |
日本人集団の解析は、事前規定されたサブグループ解析として行った。 |
有効性評価項目 |
[主要評価項目] |
安全性評価項目 |
有害事象等 |
EMPEROR-Preserved試験の全体集団の主要評価項目の結果 |
心血管死またはHHFはジャディアンス群の415例(13.4%)、プラセボ群の511例(17.1%)に発現した。 |
LVEF:左室駆出率、eGFR(CKD-EPI)cr:Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement(CKD-EPI式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、MMRM:Mixed-effects Models for Repeated Measures、 CI:信頼区間
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(電子添文改訂時の評価資料)
Anker SD, et al.: N Engl J Med. 2021; 385(16): 1451-61. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社 /イーライリリー社の支援により行われました。
LVEFが保たれた慢性心不全患者を対象としたEMPEROR-Preserved試験では、日本人集団417例が組み入れられました。
本試験では、ジャディアンス10mgをACE阻害薬、ARB、ARNI、β遮断薬、MRA等に追加して投与した時の心血管死および心不全による入院(HHF)のリスクに対する有効性および安全性をプラセボと比較検討しました。
EMPEROR-Reduced試験(日本人集団)
左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象とした
国際共同第Ⅲ相・検証試験(EMPEROR-Reduced試験)
[サブグループ解析:日本人集団]
試験概要
目的 |
EMPEROR-Reduced試験の事前規定されたサブグループ解析として、日本人集団†におけるジャディアンスの有効性と安全性を評価する。 |
対象 |
EMPEROR-Reduced試験に参加したLVEF≦40%の慢性心不全患者のうち、日本人集団 266例。 |
解析計画 |
日本人集団の解析は、全体集団で行った解析を日本人集団に当てはめることにより行った。心血管死または心不全による入院(HHF)の解析には、主解析と同様の因子を含めたCox回帰分析を用いた。Intention-to-treat(ITT)の原則に従い、無作為化割り付けされた全患者の、予定された治験薬投与期間終了までのすべてのデータ(予定どおりに治験薬投与期間を完了しなかった患者の治験薬投与終了後のデータを含む)を使用した。 |
有効性評価項目 |
[主要評価項目] |
安全性評価項目 |
有害事象等 |
EMPEROR-Reduced試験の全体集団の主要評価項目の結果 |
心血管死またはHHFはジャディアンス群の361例(19.4%)、プラセボ群の462例(24.7%)に発現した。 |
LVEF:左室駆出率、eGFR(CKD-EPI)cr:Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement(CKD-EPI式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、MMRM:Mixed-effects Models for Repeated Measures、
KCCQ:カンザスシティ心筋症質問票
eGFR(CKD-EPI)cr:Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine(CKD-EPI式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(承認時評価資料)
Packer M, et al.: N Engl J Med. 2020; 383(15): 1413-24. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われました。
LVEFが低下した慢性心不全患者を対象としたEMPEROR-Reduced試験では、日本人集団266例が組み入れられました。
本試験では、ジャディアンス10mgを標準治療*等に追加して投与した時の心血管死およびHHFのリスクに対する有効性および安全性をプラセボと比較検討しました。
*国内および国際的に普及しているガイドラインに従った適切な用量の心不全治療薬(ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、経口利尿薬、MRA、ARNI[サクビトリルバルサルタン]、HCNチャネル遮断薬[イバブラジン]等)。
EMPEROR-Preserved試験/EMPEROR-Reduced試験の患者背景
EMPEROR-Preserved試験(日本人集団)
患者背景
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
|||
---|---|---|---|---|
全体集団 |
日本人集団 |
全体集団 |
日本人集団 |
|
(n=2,991) |
(n=205) |
(n=2,997) |
(n=212) |
|
男性/女性、n |
1,653/1,338 |
134/71 |
1,659/1,338 |
142/70 |
年齢(歳)、平均(SD) |
71.9(9.6) |
74.4(8.2) |
71.8(9.3) |
74.4(7.9) |
BMI(kg/m²)、平均(SD) |
29.9(5.9) |
24.4(3.9) |
29.8(5.8) |
24.3(3.8) |
LVEF |
54.3(8.8) |
58.6(9.7) |
54.3(8.8) |
57.8(8.8) |
NT-proBNP(pg/mL)、中央値(Q1、Q3) |
946(498、1,725) |
1,100(604、1,750) |
994(501、1,740) |
1,258(761、2,011) |
血圧 |
|
|
|
|
eGFR(CKD-EPI)cr(mL/min/1.73m²)、平均(SD) |
60.6(19.9) |
62.6(18.6) |
60.6(19.8) |
62.1(18.6) |
心房細動または心房粗動、n(%)* |
1,559(52.1) |
123(60.0) |
1,576(52.6) |
141(66.5) |
糖尿病あり、n(%) |
1,472(49.2) |
70(34.1) |
1,466(48.9) |
72(34.0) |
NYHA分類、n(%) |
|
|
|
|
心不全治療薬の使用、n(%) |
2,972(99.4) |
202(98.5) |
2,985(99.6) |
210(99.1) |
SD:標準偏差、 Q1:第1四分位数、Q3:第3四分位数、BMI:体格指数、eGFR(CKD-EPI)cr: Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement( CKD-EPI 式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、NT-proBNP:ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント、NYHA:ニューヨーク心臓協会、ACE:アンジオテンシン変換酵素、ARB:アンジオテンシン受容体拮抗薬、ARNI:アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬、MRA:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
データが得られなかった患者は表示していない。
* 治験担当医師が報告した病歴またはベースラインの心電図所見に基づく。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(電子添文改訂時の評価資料)
EMPEROR-Preserved試験における全体集団と日本人集団の患者背景は表に示したとおりです。
日本人集団は、ジャディアンス群212例、プラセボ群205例でした。平均年齢はいずれも74.4歳、平均BMIはジャディアンス群24.27kg/m²、プラセボ群24.42kg/m²、NT-proBNP(中央値)はそれぞれ1,258pg/mL、1,100pg/mL、平均eGFR(CKD-EPI)crは62.1mL/min/1.73m²、62.6mL/min/1.73m²、糖尿病を有する患者の割合は34.0%、34.1%、NYHA分類はⅡが94.8%、95.6%、Ⅲが4.2%、3.9%、Ⅳが0%、0.5%でした。
心不全治療薬として使用している薬剤は、日本人集団のジャディアンス群とプラセボ群でそれぞれ、ACE阻害薬/ARB/ARNIが69.3%、68.8%、β遮断薬が84.0%、83.4%、ループ利尿薬が60.8%、59.0%でした。
EMPEROR-Reduced試験(日本人集団)
患者背景
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
|||
---|---|---|---|---|
全体集団 |
日本人集団 |
全体集団 |
日本人集団 |
|
(n=1,867) |
(n=122) |
(n=1,863) |
(n=144) |
|
男性/女性、n |
1,411/456 |
103/19 |
1,426/437 |
119/25 |
年齢(歳)、平均(SD) |
66.5(11.2) |
70.7(10.5) |
67.2(10.8) |
70.0(10.4) |
BMI(kg/m²)、平均(SD) |
27.8(5.4) |
23.6(3.9) |
28.0(5.5) |
23.7(3.7) |
LVEF(%)、平均(SD) |
27.2(6.1) |
28.0(6.4) |
27.7(6.0) |
28.6(5.9) |
NT-proBNP(pg/mL)、中央値(Q1、Q3) |
1,926(1,153、3,525) |
1,867(1,088、3,506) |
1,887(1,077、3,429) |
2,042(1,232、3,481) |
血圧 |
|
|
|
|
eGFR(CKD-EPI)cr(mL/min/1.73m²)、平均(SD) |
62.2(21.5) |
60.5(21.9) |
61.8(21.7) |
59.3(20.4) |
心房細動または心房粗動 |
738(39.5) |
57(46.7) |
703(37.7) |
64(44.4) |
糖尿病あり、n(%) |
929(49.8) |
52(42.6) |
927(49.8) |
70(48.6) |
NYHA分類、n(%) |
|
|
|
|
心不全治療薬の使用、n(%) |
1,866(99.9) |
121(99.2) |
1,862(99.9) |
144(100.0) |
SD:標準偏差、 Q1:第1四分位数、Q3:第3四分位数、BMI:体格指数、NT-proBNP:ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント、 eGFR(CKD-EPI)cr: Glomerular filtration rate estimated by the chronic kidney disease epidemiology collaboration formula with serum creatinine measurement( CKD-EPI 式に基づき血清クレアチニン値から算出した推算糸球体濾過量)、 NYHA:ニューヨーク心臓協会、ACE:アンジオテンシン変換酵素、ARB:アンジオテンシン受容体拮抗薬、ARNI:アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬、MRA:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
データが得られなかった患者は表示していない。
* サクビトリルバルサルタンはARNIとして表示しているため、サクビトリル併用時のバルサルタンを除く。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(承認時評価資料)
EMPEROR-Reduced試験における全体集団と日本人集団の患者背景は表に示したとおりです。
日本人集団はジャディアンス群144例、プラセボ群122例でした。平均年齢はそれぞれ70.0歳、70.7歳、平均BMIは23.65kg/m²、23.56kg/m²、NT-proBNP(中央値)は2,042pg/mL、1,867pg/mL、平均eGFR(CKD-EPI)crは59.3mL/min/1.73m²、60.5mL/min/1.73m²、糖尿病を有する患者の割合は48.6%、42.6%、NYHA分類はⅡが89.6%、91.0%、Ⅲが10.4%、9.0%、Ⅳがいずれも0%でした。
また、心不全治療薬として使用している薬剤は、ジャディアンス群とプラセボ群でそれぞれ、ACE阻害薬/ARBもしくはARNIが75.7%、72.1%、β遮断薬が94.4%、94.3%、MRAが54.9%、59.8%でした。
日本人集団において、ジャディアンスの追加により、LVEFが保たれた慢性心不全患者とLVEFが低下した慢性心不全患者のいずれにおいても心血管死またはHHFの初回発現のリスクが低下[主要評価項目(サブグループ解析)]
![日本人集団において、ジャディアンスの追加により、LVEFが保たれた慢性心不全患者とLVEFが低下した慢性心不全患者のいずれにおいても心血管死またはHHFの初回発現のリスクが低下[主要評価項目(サブグループ解析)]](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-08.jpg)
日本人集団において、ジャディアンスの追加により、LVEFが保たれた慢性心不全患者とLVEFが低下した慢性心不全患者の両方で心血管死またはHHFの初回発現のリスクが低下しました。
EMPEROR-Preserved試験における心血管死またはHHFの初回発現は、ジャディアンス群で10.4%(22/212例)、プラセボ群で16.1%(33/205例)に認められ、プラセボ群に対するジャディアンス群のハザード比は0.58(95%CI:0.34~1.00)でした。
EMPEROR-Reduced試験における心血管死またはHHFの初回発現は、ジャディアンス群で16.7%(24/144例)、プラセボ群で30.3%(37/122例)に認められ、プラセボ群に対するジャディアンス群のハザード比は0.48(95%CI:0.29~0.81)でした。
両試験の心血管死またはHHFの初回発現の推定累積発現率(非心血管死を競合リスクとして考慮)は、図のように推移しました。
日本人集団においてHHF(初回および再発)の発現が認められたのは、EMPEROR-Preserved試験でジャディアンス群の7.1%、プラセボ群の12.2%、EMPEROR-Reduced試験でジャディアンス群の14.6%、プラセボ群の29.5%[重要な副次評価項目(サブグループ解析)]
![日本人集団においてHHF(初回および再発)の発現が認められたのは、EMPEROR-Preserved試験でジャディアンス群の7.1%、プラセボ群の12.2%、EMPEROR-Reduced試験でジャディアンス群の14.6%、プラセボ群の29.5%[重要な副次評価項目(サブグループ解析)]](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-09.jpg)
日本人集団におけるHHF(初回および再発)の発現は、EMPEROR-Preserved試験では、ジャディアンス群の7.1%(15/212例)、プラセボ群の12.2%(25/205例)に認められ、プラセボ群に対するジャディアンス群のハザード比は0.47(95%CI:0.22~0.99、Joint Frailtyモデル)でした。
EMPEROR-Reduced試験では、ジャディアンス群の14.6%(21/144例)、プラセボ群の29.5%(36/122例)に認められました(心血管死の発現が少なかったためJoint Frailtyモデルによるハザード比は算出されなかった)。
なお、両試験のHHF(初回および再発)の発現の平均累積発現率は、図のように推移しました。
[参考情報]日本人集団におけるeGFR(CKD-EPI)crのベースラインからの変化の傾きへの影響[重要な副次評価項目(サブグループ解析)]
![[参考情報]日本人集団におけるeGFR(CKD-EPI)crのベースラインからの変化の傾きへの影響[重要な副次評価項目(サブグループ解析)]](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-10.jpg)
日本人集団におけるeGFR(CKD-EPI)crのベースラインからの変化の傾きの推定値は、EMPEROR-Preserved試験ではジャディアンス群 ー2.145mL/min/1.73m²/年(95%CI:ー2.768~ー1.522)、プラセボ群 ー3.259mL/min/1.73m²/年(95%CI:ー3.896~ー2.622)でした。
EMPEROR-Reduced試験では、ジャディアンス群 0.175mL/min/1.73m²/年(95%CI:ー0.883~1.233)、プラセボ群 ー2.276mL/min/1.73m²/年(95%CI:ー3.394~ー1.158)でした。
日本人集団における安全性
EMPEROR-Preserved試験(日本人集団)
安全性
日本人集団における、治験薬投与期間中央値2.15年での有害事象発現率は、ジャディアンス群で92.5%(196/212例)、プラセボ群で94.1%(193/205例)でした。
有害事象の概要
n(%) |
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
---|---|---|
有害事象 |
193(94.1) |
196(92.5) |
重篤な有害事象 |
110(53.7) |
104(49.1) |
投与中止に至った有害事象 |
22(10.7) |
32(15.1) |
死亡に至った有害事象 |
14(6.8) |
10(4.7) |
同一患者が複数の重篤カテゴリーでカウントされている場合がある。
n(%) |
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
---|---|---|
主な有害事象 |
上咽頭炎52例(25.4%)、心不全31例(15.1%)、背部痛26例(12.7%)、便秘21例(10.2%)、転倒18例(8.8%)、挫傷14例(6.8%) |
上咽頭炎60例(28.3%)、転倒31例(14.6%)、便秘28例(13.2%)、心不全24例(11.3%)、挫傷22例(10.4%)、背部痛18例(8.5%) |
重篤な有害事象 |
心不全31例、慢性心不全15例、心房細動、譫妄、肺炎各6例、白内障、冠動脈狭窄各5例、脳梗塞3例、認知症2例 |
心不全24例、慢性心不全18例、白内障7例、心房細動、脳梗塞、認知症各6例、譫妄、肺炎、冠動脈狭窄各2例 |
投与中止に至った有害事象 |
心不全、急性心不全各2例 |
心不全2例 |
死亡に至った有害事象 |
急性心不全2例、心停止、心不全、慢性心不全、心筋梗塞、死亡*、溺死、意識変容状態、視床出血、窒息、敗血症、硬膜下出血、肺扁平上皮癌各1例 |
脳出血、間質性肺疾患各2例、心不全、急性心筋梗塞、心肺停止、肺炎、肺の悪性新生物、虚血性大腸炎各1例 |
* 治験担当医師が他のPTに起因しないと判断した死亡例。
MedDRA v23.1 基本語に基づく。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が保たれた慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(電子添文改訂時の評価資料)
EMPEROR-Preserved試験の日本人集団における有害事象発現割合は、ジャディアンス群で92.5%(196/212例)、プラセボ群で94.1%(193/205例)でした。
いずれかの群で発現割合が10%以上となった主な有害事象は、ジャディアンス群、プラセボ群でそれぞれ、上咽頭炎28.3%、25.4%、心不全11.3%、15.1%、転倒14.6%、8.8%、便秘13.2%、10.2%、背部痛8.5%、12.7%、挫傷10.4%、6.8%でした。
また、重篤な有害事象の発現は、ジャディアンス群で104例(49.1%)、プラセボ群で110例(53.7%)報告され、その内訳はジャディアンス群で心不全24例等、プラセボ群で心不全31例等でした。
投与中止に至った有害事象の発現は、ジャディアンス群で32例(15.1%)、プラセボ群で22例(10.7%)報告され、その内訳はジャディアンス群で心不全2例等、プラセボ群で心不全2例、急性心不全2例等でした。
死亡に至った有害事象の発現は、ジャディアンス群で10例(4.7%)、プラセボ群で14例(6.8%)報告され、その内訳はジャディアンス群で脳出血2例、間質性肺疾患2例等、プラセボ群で急性心不全2例等でした。
EMPEROR- Reduced試験(日本人集団)
安全性
日本人集団における、ジャディアンス群、プラセボ群の治験薬投与期間中央値1.40年、1.49年での有害事象発現率は、ジャディアンス群で84.7%(122/144例)、プラセボ群で90.2%(110/122例)でした。
有害事象の概要
n(%) |
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
---|---|---|
有害事象 |
110(90.2) |
122(84.7) |
重篤な有害事象 |
76(62.3) |
61(42.4) |
投与中止に至った有害事象 |
6(4.9) |
15(10.4) |
死亡に至った有害事象 |
5(4.1) |
8(5.6) |
同一患者が複数の重篤カテゴリーでカウントされている場合がある。
n(%) |
プラセボ |
ジャディアンス10mg |
---|---|---|
主な有害事象 |
心不全40例(32.8%)、上咽頭炎36例(29.5%)、慢性心不全13例(10.7%)、背部痛12例(9.8%)、腎機能障害、便秘各10例(8.2%)、不眠症9例(7.4%)、心房細動、肺炎、高尿酸血症各8例(6.6%)、気管支炎、高カリウム血症、白内障各7例(5.7%)、脱水、挫傷各6例(4.9%)、低カリウム血症5例(4.1%) |
上咽頭炎34例(23.6%)、便秘22例(15.3%)、心不全21例(14.6%)、腎機能障害、不眠症各12例(8.3%)、挫傷11例(7.6%)、背部痛、肺炎各9例(6.3%)、脱水、低カリウム血症、慢性心不全各8例(5.6%)、心房細動、高カリウム血症各7例(4.9%)、白内障4例(2.8%)、高尿酸血症、気管支炎各3例(2.1%) |
重篤な有害事象 |
心不全40例、慢性心不全13例、心房細動5例、白内障、緑内障、心室性頻脈、心房粗動各3例、肺炎、心室細動、前立腺癌各2例、譫妄、腎機能障害各1例 |
心不全21例、慢性心不全8例、心室性頻脈、譫妄各6例、肺炎5例、心房細動4例、心室細動、鼠径ヘルニア、前立腺癌、腎機能障害各3例、白内障2例、緑内障1例 |
投与中止に至った有害事象 |
心不全3例、慢性心不全、コントロール不良の糖尿病、腸管虚血各1例 |
心不全、心室細動、認知障害各2例、うっ血性心筋症、食欲減退、低血糖、上腹部痛、大腸菌性菌血症、遠隔転移を伴う膵癌、腎機能障害、誤嚥性肺炎、湿疹各1例 |
死亡に至った有害事象 |
心不全3例 |
心不全3例、心室細動2例 |
MedDRA v23.0 基本語に基づく。
効能又は効果、用法及び用量、禁忌を含む注意事項等情報等については電子添文をご確認ください。
社内資料:左室駆出率が低下した慢性心不全患者を対象とした国際共同第Ⅲ相・検証試験(承認時評価資料)
EMPEROR-Reduced試験の日本人集団における有害事象発現割合は、ジャディアンス群で84.7%、プラセボ群で90.2%でした。
いずれかの群で発現割合が5%以上となった主な有害事象は、ジャディアンス群、プラセボ群でそれぞれ、心不全14.6%、32.8%、慢性心不全5.6%、10.7%、心房細動4.9%、6.6%、上咽頭炎23.6%、29.5%、肺炎6.3%、6.6%、気管支炎2.1%、5.7%、便秘15.3%、8.2%、高尿酸血症2.1%、6.6%、高カリウム血症4.9%、5.7%、脱水5.6%、4.9%、低カリウム血症5.6%、4.1%、挫傷7.6%、4.9%、背部痛6.3%、9.8%、腎機能障害8.3%、8.2%、白内障2.8%、5.7%、不眠症8.3%、7.4%でした。
また、重篤な有害事象の発現率は、ジャディアンス群で42.4%、プラセボ群で62.3%でした。
投与中止に至った有害事象は、ジャディアンス群で15例(10.4%)、プラセボ群で6例(4.9%)が報告され、その内訳は、ジャディアンス群で、心不全、心室細動、認知障害が各2例、うっ血性心筋症、食欲減退、低血糖、上腹部痛、大腸菌性菌血症、遠隔転移を伴う膵癌、腎機能障害、誤嚥性肺炎、湿疹が各1例、プラセボ群が心不全3例、慢性心不全、コントロール不良の糖尿病、腸管虚血が各1例でした。
死亡に至った有害事象は、ジャディアンス群で8例(5.6%)、プラセボ群で5例(4.1%)が報告され、その内訳は、ジャディアンス群で心不全3例、心室細動2例等、プラセボ群で心不全3例等でした。
慢性心不全※患者に対する治療
![慢性心不全※患者に対する治療](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-13.jpg)
![慢性心不全※患者に対する治療 02](/jp/sites/default/files/inline-images/0112_jad_jan_deta_con_sra-14.jpg)
慢性心不全※に対するジャディアンスの用法及び用量は、1日1回10mgの経口投与です。慢性心不全※への適応は10mg 1用量であり、朝食前または朝食後のどちらでも服用可能です。LVEFを問わず、慢性心不全に対する治療強化が必要な患者さんに、ジャディアンスの投与をご検討ください。
※ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。