糖尿病患者さんに治療を継続して頂くために

サイトへ公開: 2021年04月01日 (木)
糖尿病患者さんに治療を継続して頂くために01

戸崎先生は、大学病院や総合病院でお勤めの後、平成23年より名古屋市天白区にクリニックを開業されました。
2020年12月時点におけるクリニックの実績が、糖尿病通院患者数は1764名、甲状腺疾患通院患者数772名と非常に多くの患者さんを診られております。
スタッフの皆様と作成された「ひとりでも多くの患者さんがより良い人生を過ごすため、治療を楽しく前向きに続けられるお手伝いをします」というクリニック理念のもとチームとして診療を行われており、臨床研究や学会発表なども積極的に行われています。

Q:糖尿病診療で心がけていること/重視していることについて教えてください。

完治の難しい糖尿病は、なによりも確実に通院していただくこと、通院中断をしないことが大切です。そのために患者さんとの信頼関係構築が非常に重要だと考えています。
例えば、当院は糖尿病と甲状腺を専門としたクリニックですが、内科全般の主治医として健康に関することならなんでも診療できるように、また気軽になんでも相談してもらえるように心がけ、「自分の家族や友人がもし病気になったらどんな医師に担当になってほしいか」を考えながら毎日の診療にあたっています。
糖尿病患者さんに限らないですが、自身の将来や治療に対して不安や疑問を抱えている事も多いのですが、何に不安や疑問を抱えているのか一度吐き出して頂く事も重要だと思います。

図1

Q:糖尿病診療で心がけていること/重視していることについて教えてください。

Q:そのようにお考えになったキッカケや理由はございますか?

大病院に勤める中で、病院と患者さんの関係にギモンを持ちました。たとえば予約していないと検査や指導が受けられない、検査を受けたらまた日をあらためて再度検査の結果を聞きに出向く必要があります。この患者さんの時間的負担が治療離れにつながっていました。
だからもっと「敷居の低い専門医」を目指そうと思いました。
たとえば初めての自己注射指導や栄養食事指導も、予約がなくてもいつでも実施できるようにしました。少しでも早く良くなって頂きたいと思い、開業医としてできる一番のサービスを行いたいと思っています。

Q:そのようにお考えになったキッカケや理由はございますか?

Q:上記をふまえて、どのように薬剤選択をされていますか?

できるだけ膵β細胞に負担をかけずに血糖値を下げることは当然ですが、治療継続のためにも患者さんに納得・満足してもらう事も重要だと思っています。
例えば、検査データが改善しており生活習慣に変化があった場合に変化した行動を褒める、今の治療より少しでも簡便にならないか考える等です。変化を実感できたり、褒められると患者さん自身も治療に更に前向きになり、普段の行動にも更に変化が出やすくなります。
糖尿病患者さんは高血圧や脂質異常症など、他の生活習慣病を併発して薬剤を服用している事も多く、厚生労働省のデータでも86.9%の方が2剤以上の薬剤を服用している事も報告されています。薬剤選択の際には現在の治療をさらに簡単にできないか、あらためて確認してみることも大事だと思います。

図2

Q:上記をふまえて、どのように薬剤選択をされていますか?

Q:どのような方にジャディアンスやトラディアンスを選択されていますか?もしくは避けるようにされていますか?

ジャディアンスは25mgという高用量やトラディアンス配合錠という選択肢があり、治療変更を行う際に錠数が増えないので、将来の治療強化を考えた場合に、はじめからジャディアンスを使っておこうかなとなることが多いです。
逆に避けるべき患者さんとしてはやせ型の患者さんです。
フレイル・サルコペニアが懸念される患者さんには避けるようにしています。
糖尿病患者さんに長く治療継続して頂くためには、できるだけ患者さんが受け入れやすく、効果を実感しやすい薬剤が良いと考えます。
その点で、ジャディアンス・トラディアンスという薬剤は有用な選択肢と考えています。

図3

Q:どのような方にジャディアンスやトラディアンスを選択されていますか?もしくは避けるようにされていますか?

ジャディアンスの臨床データ

■EMPA-REG PPG JAPAN試験
この試験では、65歳以上を約半数含む日本人2型糖尿病患者さんを対象にジャディアンスの1日1回28日間投与における食後血糖値および24時間血糖値変動を評価しています。

図4

■EMPA-REG PPG JAPAN試験

■CGMによる血糖値推移
24時間持続血糖測定(CGM)による血糖値の時間比率をみると、ジャディアンス10mg群の血糖値180mg/dL以上の時間比率は、ベースラインでは47.8%、投与1日目では34.2%、投与28日目では22.8%と投与1日目から変化が見られました。
また、低血糖症状の発症の目安とされる70mg/dLを下回った時間比率は、ジャディアンス10mg群で投与1日目および28日目において0.3%でした。

図5

■CGMによる血糖値推移

■安全性
本試験における有害事象は、ジャディアンス10mg群で15.0%(3/20例)、25mg群で15.8%(3/19例)、プラセボ群で9.5%(2/21例)に認められました。
なお、重篤な有害事象はどの群においても報告はありませんでした。

図6

■安全性

■ジャディアンス国際共同試験・検証試験
この試験では、対象をジャディアンス10mg、25mg、プラセボ、またはシタグリプチン100mg に無作為割り付けし、1日1回24週間経口投与し、さらに52週間延長投与しました。また、EMPA-REG MONOTM試験に参加して24週間の投与期間を完了した患者のうち、除外基準に抵触しない患者についてさらに52週間延長投与し、プラセボおよびシタグリプチン100mg群と探索的な比較を行いました。

図7

■ジャディアンス国際共同試験・検証試験

■HbA1c低下作用
投与76週後におけるHbA1cのベースラインからの調整平均変化量は、プラセボ群の+0.13%と比較して、ジャディアンス10mg群では-0.65%、ジャディアンス20mg群では-0.76%と有意な低下が認められました。
このように、ジャディアンス錠の1日1回経口投与により、持続する優れたHbA1c低下作用効果が検証されました。

図8

■HbA1c低下作用

■安全性
本試験における有害事象は、ジャディアンス10mg群76.8%(172/224例)、ジャディアンス25mg群78.0%(174/223例)、シタグリプチン群72.2%(161/223例)、プラセボ群76.4%(175/229例)に認められました。
主な有害事象は、高血糖がそれぞれ8.9%(20/224例)、4.9%(11/223例)、12.6%(28/223例)、27.5%(63/229例)、鼻咽頭炎がそれぞれ14.3%(32/224例)、11.2%(25/223例)、12.1%(27/223例)11.8%(27/229例)などでした。

図9

■安全性
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