下野先生に聞きました SGLT2阻害薬の患者アドバイス実践Q&A 飲水に関するアドバイス編

サイトへ公開: 2020年10月05日 (月)

第3回 飲水に関するアドバイス編

第3回 飲水指導編

Q:

SGLT2阻害薬に脱水や脳梗塞の懸念があると聞いたのですが?

A:

SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationにおいて、これまでの大規模臨床試験や市販後調査の結果からは、SGLT2阻害薬が脳梗塞を増加させるというエビデンスはないものの、SGLT2阻害薬投与初期に通常体液量が減少することや脱水が脳梗塞などのリスクとなることに注意が必要1)とされています。

解説

解説

 

特にSGLT2阻害薬の投与初期には体液量減少に対する十分な観察と適切な水分補給を必ず行い、投与中はその注意を継続することが必要です1)。当院ではSGLT2阻害薬投与初期から7日目くらいまでは特に意識して飲水を行っていただくようにアドバイスし、その後も適切な量の飲水をしているか注意を継続しています。
一方で、過剰な飲水は夜間頻尿につながることもあります。特に高齢の患者さんでは、SGLT2阻害薬投与前に元々の夜間尿の回数を確認しておき、次回の診察時との差を確認することで、飲水量が適切かどうかチェックすることが重要です。
また、脳梗塞に関してはSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationの記載を参考に、過度に患者さんを心配させないように心がけています。

解説

1) 日本糖尿病学会 SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会. SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation. 2019年8月6日改訂

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