下野先生に聞きました SGLT2阻害薬の患者アドバイス実践Q&A 感染症編

サイトへ公開: 2020年10月09日 (金)

第4回 感染症編

第4回 感染症編

Q:

SGLT2阻害薬により、尿路感染症もしくは性器感染症が起こりうるのでしょうか?

A:

SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationにおいて、SGLT2阻害薬は尿路感染症もしくは性器感染症の増加と関連することが報告されており、適宜問診・検査を行って、発見に努めることが求められています1)

解説

解説

これまでの報告では、尿路感染症として腎盂腎炎、膀胱炎など、性器感染症として外陰部膣カンジダ症などがみられています1)。これらは投与開始から2、3日および1週間以内に起こる例もあれば2ヵ月程度経って起こる例もあります1)。 SGLT2阻害薬の投与前には、尿路・性器感染症の既往歴を確認しておき、元々リスクの高い患者さんには注意を促しています。
感染症の予防策として、患者さんには「陰部を清潔に保っていただき、何か気になることがあれば教えてください」と説明しています。具体的には、ウォシュレットを用いる、尿量を気にして飲水を制限しすぎず、適切な量を飲水し自浄作用を促すなども効果的なアドバイスと考えています。

1) 日本糖尿病学会 SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会. SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation. 2019年8月6日改訂

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