下野先生に聞きました SGLT2阻害薬の患者アドバイス実践Q&A 食事療法編

サイトへ公開: 2020年10月09日 (金)

第1回 食事療法編

第1回 食事療法編

Q:

SGLT2阻害薬投与中に過食になったり、空腹感を感じやすいことはあるのでしょうか?

A:

実験動物を用いた研究においてSGLT2阻害薬投与により摂食量が増えることが報告されていますが1)、ヒトにおいて食事調節に乱れが生じるのかどうかは十分明らかになっていません。

解説

解説

食事療法は糖尿病治療の基本であり、SGLT2阻害薬を投与しているかどうかにかかわらず、食事療法を継続することが重要です。
SGLT2阻害薬を開始する患者さんには、作用機序と体重への影響を説明した上で、「まずは増やしたり減らしたりせず、これまでと同じような食事量を意識してみてください」と説明しています。
間食をしてしまいがちな主婦やデスクワークの患者さんでは特に注意が必要です。
また、食事療法に対するモチベーションを維持するために、日々の体重測定や、来院ごとに血糖や体重の変化を見せるなど、食事療法の効果を認識してもらう工夫も必要でしょう。
なお、SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationにあるように、「発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する」2)ことをアドバイスしています。

1) Bogdanffy MS et al. Int J Toxicol. 2014;33(6):436-49.
2) 日本糖尿病学会 SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会. SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation. 2019年8月6日改訂

ページトップ