心房細動患者さんの声を聴く Vol.1

サイトへ公開: 2023年08月30日 (水)

産業医に勧められて大学病院を受診

心房細動は実臨床で遭遇することが多い不整脈です。心房細動の有病率は、年齢が進むにつれて上昇するため、日本では高齢化に伴い、これからもさらに増加すると予測されます。

本コンテンツでは、心房細動治療を受けた患者さんの声を薬剤師の先生方へお届けするために、心房細動患者さんのご経験から治療の経緯や治療に対する向き合い方とその思いなどを伺いました。

2023年4月 WEBにてインタビュー

産業医に勧められて大学病院を受診

産業医に勧められて大学病院を受診

思い返せば子どもの頃から、よく医師に「脈が飛ぶ」と言われていました。しかし、自覚症状はなく、日常生活に影響をおよぼすようなこともなかったので、それほど重大な問題ではないと放置していました。社会人になってからも定期健診のたびに同様の指摘を受けましたが、「忙しさ」を理由に専門医を受診する気にはなれず、そのまま放置し続けていました。そして、40代半ばになった頃、職場の産業医から、心房細動が原因で脳梗塞になった場合、脳へのダメージが大きく重症になりやすいと言われ、同時に検査を受けることを強く勧められました。それがきっかけとなって、大学病院を受診したところ、心房細動と診断されました。医師からは心房細動を放置していたことをずいぶん厳しく注意されました。特に、医師からの指導で印象的だったのが、心房細動が原因で脳梗塞を発症した有名人の例を挙げながら、「心房細動は、ちゃんと治療しなきゃダメな病気なんです。放っておいてはいけない。脳梗塞が起こってからでは遅いのです。」と強く指導を受けたことです。その医師からも心房細動による脳梗塞は重症化しやすいと言われ、脳梗塞を予防するために治療を開始したのが今から20年近く前です。治療開始当初は直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)がなく、抗血小板薬を処方されていましたが、DOACが発売された後は、抗血小板薬から処方が変更され、現在も服用を継続しています。

薬を正しく飲み続けることの重要性を実感

薬を正しく飲み続けることの重要性を実感

抗凝固薬は、毎日きちんと飲み続ける必要がありますが、飲み始めた頃は心のどこかで「そんな大げさな・・・」と思っていたため、自己判断で飲む回数を減らしたりすることもありました。そんなある日、医師から抗凝固薬は、用法用量を守ってきちんと飲まないと十分な効果が得られないと強く言われ、その後は欠かさずきちんと飲んでいます。
また、私は心房細動のほかにも持病があり、その病気の薬も処方されているのですが、「しばらく飲まなくても大丈夫だろう」といった軽い気持ちで、飲むのをやめたところ、体調が悪化する経験をしました。
実際に体調が悪化した経験から、薬を正しく飲み続けることの重要性を痛感し、それから飲み忘れがないように十分に気をつけるようになりました。今では薬を飲むことは生活の一部となり、きちんと飲み続けることが脳梗塞の予防を含む日々の「安心感」につながっています。

患者の立場で思うこと

患者の立場で思うこと

私にはさまざまな持病があり、カテーテル検査や内視鏡検査など、出血が生じる可能性のある検査を受けることがあります。そうした検査の前に抗凝固薬を飲んでいることを医師に伝えると、しばらく中止してほしいと言われることがあります。このようなときは、薬剤師さんとのコミュニケーションを通じて、対応方法に関する具体的な助言などのサポートをしていただけると非常に心強いです。
また、薬剤師さんから心房細動による脳梗塞を防ぐために抗凝固薬はきちんと飲み続けなければならないことを繰り返し伝えていただいたり、患者向けのパンフレットなどを用いて適切な服用方法について教えていただけたりすると、服薬を継続する励みになると思います。

ダイエットにチャレンジしたい!

ダイエットにチャレンジしたい!

実は20代、30代の頃は、健康をあまり意識せず、お酒を飲んでいましたし、たばこも吸っていました。
しかし、心房細動やその他の持病の治療を続けていくうちに、生活習慣をきちんと見直さなければいけないという気持ちが強くなりました。自分自身の健康志向が高まったためか、今後ダイエットにチャレンジしたいと考えています。特にコロナ禍で運動不足となり、少し太ってしまったので、食事の量を調整したり、ウォーキングなどの適度な運動を続けて、これからも健康な日々を過ごしていきたいと考えています。そのためには、薬をきちんと飲むことで、日々の生活における「安心感」につなげていきたいと思います。

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