![世界最高水準の山形工場をご紹介します。 患者さんのもとへプリズバインド🄬が届くまで](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_01_20230710.png)
プリズバインド®は、直接トロンビン阻害剤であるプラザキサ®を服用中に生命を脅かす出血または止血困難な出血を発現している、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術または処置が必要な患者さんにおいて、ダビガトランの抗凝固作用を速やかに中和することが可能な注射剤です。 また、ドイツ・ベーリンガーインゲルハイムの日本における生産拠点である山形工場(山形県東根市:上記地図参照)では、高度な製剤技術と最新鋭の設備によって、医療用医薬品の製剤から包装、物流までの一貫生産体制を実現し、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準)に準拠した品質管理体制を確立しています。 本コンテンツでは、プリズバインド®の意義や患者さんのもとへプリズバインド®が届くまでの検査・包装工程について紹介します。
●プリズバインド®について
プリズバインド®(イダルシズマブ)は、プラザキサ®(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)による抗凝固作用を中和することが可能なヒト化モノクローナル抗体のフラグメント(Fab)であり、用量は固定[1回5g(1バイアル2.5g/50mLを2バイアル)]で調製不要な注射剤です。 プリズバインド®は、プラザキサ®に特異的な中和剤であり、トロンビンに結合したダビガトランおよび非結合型のダビガトランに結合することで抗凝固作用を中和します1)。イダルシズマブのダビガトランに対する結合親和性は、ダビガトランのトロンビンに対する結合親和性の約300倍と非常に高く、ダビガトランの抗凝固作用を迅速に中和することが報告されています2)。また、イダルシズマブとダビガトランが複合体を形成する際の会合速度は速く(ka:3.4×105/Ms)、解離速度は遅い(kd:0.7×10-6/s)ため、イダルシズマブのダビガトランへの結合は安定かつ不可逆的です3)。
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●抗凝固薬の中和剤の意義について
抗凝固療法中における出血リスクはゼロではありません。万一、重大な出血や緊急手術を要する出血が発現した場合には、中和剤を投与し、適切な処置を行うことが重要です。 抗凝固薬の理想的な中和剤の特徴として、①薬剤にのみ特異的に作用し、生体に備わった本来の凝固系に干渉しないこと、②迅速に中和効果を発揮すること、③中和効果が高いこと、④中和効果が持続すること、⑤中和効果が予測できること、⑥副作用が少ないこと、⑦使用方法が簡便であることが挙げられます4)。抗凝固薬に対する中和剤の存在は、より安心して抗凝固療法を続けていくうえで大切です。
![●抗凝固薬の中和剤の意義について](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_03_20230710.png)
![見出し_Bプラス_第五弾PRZ工場見学](/jp/sites/default/files/inline-images/%E8%A6%8B%E5%87%BA%E3%81%97_B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_04_20230710.png)
プリズバインド®静注液の検査・包装工程をご紹介します。
プリズバインド®静注液の輸入
プリズバインド®静注液は、ドイツ・ベーリンガーインゲルハイムの製造工場で製造され、バイアルに充填された状態で日本の山形工場(山形県東根市)へ輸入されます。万一の有事に備えて国内に十分な在庫を確保し、プリズバインド®静注液を必要とする患者さんに安定した供給ができる体制を整えています。
![プリズバインド®静注液の輸入](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_05_20230710.png)
START
山形工場では、ドイツ・ベーリンガーインゲルハイムの製造工場から輸入されたプリズバインド®静注液の検査工程と包装工程が行われています。
・検査工程(STEP1)
STEP1 目視検査
プリズバインド®静注液は、白と黒の背景ボードの前で、バイアルやキャップに傷がないか、内容液に繊維状の異物が混入していないかなどの外観が厳密に確認されます。経験豊富な検査員が1バイアルずつを規定時間でチェックし、異常があるものを除外します。
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・包装工程(STEP2~7)
STEP2 バイアルラベルの印字
バイアルラベルにあらかじめ使用期限やバーコードなどの可変情報を印字します。ラベル印字機を用いて、レーザーマーカー*による印字を行います。その後、搭載されている印字検査機により、可変情報の正確性を保証します。
*対象物にレーザー光を照射して表面を溶かす、焦がす、剥離する、酸化させる、削る、変色させることで可変情報を印字する方法です。小さな文字も高精度に印字が可能で、消えない文字を高速で印字できます。
![STEP2 バイアルラベルの印字](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_07_20230710.png)
STEP3 バイアルラベルの貼り付け
専用のラベル貼り付け機(バイアルラベラー)を用いてバイアルにラベルを貼り付けます。
![STEP3 バイアルラベルの貼り付け](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_08_20230714_0.png)
STEP4 カートニング(箱詰め)
事前に可変情報が印字されたカートン(外箱)を成形し、中敷き、バイアル、指導箋を入れ、接着剤により封をします。
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STEP5 重量検査
カートニングされたすべてのプリズバインド®静注液は、電子天秤を用いた重量検査により内容物が正しく含まれているかどうかを1箱ごとに厳密に確認します。
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STEP6 ケーシング(段ボール箱詰め)
規定数量のカートンを段ボール箱に入れ、テープで封をします。カートンと同様にすべての段ボール箱の重量を測定し、内容物がきちんと包装されていることを確認します。
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STEP7 保管
プリズバインド®静注液は低温管理が必要な製剤のため、ケーシング後、速やかに冷蔵庫(2~8℃)へ運ばれ保管されます。
![STEP7 保管](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_12_20230710.png)
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●工場スタッフからのコメント
![●工場スタッフからのコメント](/jp/sites/default/files/inline-images/B%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%BC%BEPRZ%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6_14_20230710.png)
引用:
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Eikelboom JW, et al. Circulation 2015; 132: 2412-2422.
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Pollack CV, et al. Thromb Haemost 2015; 114: 198-205.
-
Schiele F, et al. Blood 2013; 121: 3554-3562.
-
Dalal J, et al. Indian Heart J 2016; 68: 559-563.
1~4)はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施しました。