日本人COPD患者に対する効果

サイトへ公開: 2020年10月06日 (火)

COPD治療においては「現状の改善」と「将来のリスク低減」を鑑みた治療が重要です。

COPDの管理目標

Ⅰ.現状の改善
① 症状およびQOLの改善
② 運動耐容能と身体活動性の向上および維持

Ⅱ.将来のリスクの低減
③ 増悪の予防
④ 全身併存症および肺合併症の予防・診断・治療

この管理目標の達成は、COPDの疾患の進行抑制や生命予後の改善にもつながる

スピオルトがこれらの管理目標を日本人で
満たせるのかを検証しています。

COPD治療においては「現状の改善」と「将来のリスク低減」を鑑みた治療が重要です。

スピオルトによるQOL・息切れの改善効果(日本人部分集団解析)

試験概要

目的: COPD患者を対象に、レスピマット®ソフトミスト吸入器を用いてチオトロピウム+オロダテロール配合剤を52週間吸入投与した際の有効性及び安全性を日本人部分集団と全集団で比較検討する。
対象: 中等症から最重症(GOLD病期分類Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ)COPD患者5,162例(日本人413例を含む)
試験: 第Ⅲ相、国際共同、多施設共同、ランダム化、二重盲検、実薬対照、並行群間比較試験(同じデザインで実施した2試験)。
方法: チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg※1、チオトロピウム+オロダテロール配合剤5μg/5μg(スピオルト® 5μg/5μg)、チオトロピウム2.5μg※1、チオトロピウム5μg(スピリーバ®5μg)またはオロダテロール5μg※1を、レスピマット®を用いて1日1回52週間吸入投与した。
主要評価項目: FEV1AUC0-3hのベースラインからの変化量(24週間後)、トラフFEV1のベースラインからの変化量(24週間後)、SGRQ総スコア※2(24週間後、2試験併合)
副次評価項目: 息切れの評価 {Mahler Transition Dyspnea Index(TDI)スコア※2}(24週間後)(重要な副次評価項目)など
解析計画: COPD患者を対象に、レスピマット®ソフトミスト吸入器を用いてチオトロピウム+オロダテロール配合剤を1日1回、52週間吸入投与した際の有効性及び安全性を日本人部分集団と全集団で比較検討するため、事前に計画されたサブグループ解析を行った。

スピオルト®は日本人部分集団においてもスピリーバ®§と比較し
QOLの指標であるSGRQ総スコアの有意な改善を示しました。

SGRQ総スコアの改善(24週間後)[主要評価項目](日本人部分集団)

スピオルトによるQOL・息切れの改善効果(日本人部分集団解析)01

共通ベースライン調整平均値(SE):33.71(0.79)
混合効果反復測定モデル(MMRM):投与群、来院、投与群×来院、ベースライン値、ベースライン値×来院を固定効果、患者を変量効果とする
§:スピリーバ®レスピマット®
チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg及びチオトロピウム2.5μg、オロダテロール5μgは承認外用量、国内未承認のため削除しました。

Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.5/6試験併合解析)
Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2016; 11: 2017-2027.より作図
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

スピオルト®は日本人部分集団においても一貫してスピリーバ®§

比較し有意な息切れ(TDIスコア)の改善を示しました。;

息切れ(TDI総スコア)の変化(24週間後)[副次評価項目](日本人部分集団/海外データを含む)

スピオルトによるQOL・息切れの改善効果(日本人部分集団解析)02

共通ベースライン調整平均値(SE):日本人;7.75(0.10)、全集団;6.54(0.03)
混合効果反復測定モデル(MMRM):投与群、来院、投与群×来院、ベースライン値、ベースライン値×来院を固定効果、患者を変量効果とする
§:スピリーバ®レスピマット®
チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg及びチオトロピウム2.5μg、オロダテロール5μgは承認外用量、国内未承認のため削除しました。

Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.5/6試験併合解析)
Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2016; 11: 2017-2027.より作図
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

安全性

日本人部分集団において副作用はスピオルト®群79例中9例(11.4%)、スピリーバ®群76例中4例(5.3%)に認められた。主な有害事象(10%以上)は鼻咽頭炎、COPD、気管支炎でスピオルト®群ではそれぞれ24例(30.4%)、19例(24.1%)、12例(15.2%)、スピリーバ®群ではそれぞれ15例(19.7%)、13例(17.1%)、9例(11.8%)であった。
重篤な有害事象はそれぞれ15例、14例に認められ、薬剤との関連が認められたものはスピオルト®群の1例(大動脈瘤破裂)のみであり、死亡例であった。

投与中止に至った有害事象はそれぞれ10例、6例に認められ、薬剤との関連が認められたものはスピオルト®群の皮膚炎、大動脈瘤破裂、咳嗽がそれぞれ1例であった。

※1:チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg及びチオトロピウム2.5μg、オロダテロール5μgは承認外用量、国内未承認です。
※2:TONADO®1試験及びTONADO®2試験の併合データとして
※3:医師の判定による。
   チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg及びチオトロピウム2.5μg、オロダテロール5μgは承認外用量、国内未承認のため、臨床成績から削除しました。

Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.5/6試験併合解析)
Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2016; 11: 2017-2027.より作図
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.5試験)
Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.6試験)
Sauter W, et al. 承認時評価資料:国際共同COPD患者対象52週間有効性安全性試験(1237.5/6試験併合解析)
Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2016; 11: 2017-2027.
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

スピオルトによるCOPD増悪抑制効果の検証

試験概要

目的: COPD患者を対象に、チオトロピウム+オロダテロール配合剤(スピオルト®)を1日1回52週間吸入投与した際のチオトロピウム単剤(スピリーバ®)に対するCOPD増悪発現リスクの低減を、日本人部分集団と全集団で比較検討する。
対象: 気管支拡張薬吸入後のFEV1が予測値に対して60%未満かつ過去12ヵ月間に中等度から重度のCOPD増悪歴が1回以上あったCOPD患者7,880例(日本人461例を含む)
試験: 第Ⅲb相、国際共同、多施設共同、ランダム化、二重盲検、実薬対照、並行群間比較試験
方法: チオトロピウム+オロダテロール配合剤5μg/5μg(スピオルト®5μg/5μg)又はチオトロピウム5μg(スピリーバ®5μg)をレスピマット®を用いて1日1回52週間吸入投与した。
主要評価項目: 治験薬投与期間中※1における中等度から重度のCOPD増悪※2の年間発現率
副次評価項目: 治験薬投与期間中※1における中等度から重度のCOPD増悪※2の初回発現日までの期間(重要な副次評価項目)など
その他の評価項目: 治験薬投与期間中※1に全身性ステロイド薬/抗菌薬による治療を必要とする中等度から重度のCOPD増悪※2の年間発現率など
解析計画: 日本人COPD患者の特性は他国の患者と異なることから、全集団との比較検証のために事前に計画されたサブグループ解析を実施した。本試験の主要評価項目及び重要な副次評価項目については、全集団の解析と同様に有意水準p<0.01で検定を行った。他の評価項目についてはp<0.05で検定した。

中等度から重度のCOPD増悪年間発現率は、スピオルト®群
0.94回/人・年、スピリーバ®群1.32回/人・年でした。

中等度から重度のCOPD増悪※1の年間発現率(52週間後)[主要評価項目;日本人部分集団]
〔増悪発現率の比 0.71(99%CI:0.46-1.10),p=0.0434,事前に設定された有意水準であるp<0.01は満たさなかった〕

スピオルトによるCOPD増悪抑制効果の検証

平均値(99%CI)  解析方法:負の二項モデル(曝露期間で調整)

Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2018; 13: 2147-2156.より作図
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

安全性

日本人患者461例において、有害事象はスピオルト®群226例中194例(85.8%)、スピリーバ®群235例中196例(83.4%)に認められ、そのうち薬剤関連有害事象はそれぞれ13例(5.8%)及び10例(4.3%)であった。
いずれかの群で10%以上に認められた有害事象は、COPDがスピオルト®群66例(29.2%)、スピリーバ®群79例(33.6%)、ウイルス性上気道感染がそれぞれ55例(24.3%)及び57例(24.3%)、肺炎がそれぞれ34例(15.0%)及び33例(14.0%)、気管支炎がそれぞれ29例(12.8%)及び20例(8.5%)であった。
重篤な有害事象は、スピオルト®群76例(33.6%)、スピリーバ®群76例(32.3%)に認められ、最も多い重篤な事象は両群ともCOPD、次いで肺炎であった。重篤な有害事象のうち薬剤に関連した死亡例はなかった。
投与中止に至った有害事象は、スピオルト®群14例(6.2%)、スピリーバ®群27例(11.5%)であった。
なお、重篤例及び投与中止例の詳細については、論文等に記載がなかった。本剤の安全性情報に関しては電子添文をご参照ください。

※1 治験薬の最終吸入投与から1日以内までの期間
※2 息切れ、喀痰量の増加、喀痰の色の変化、咳、喘鳴、胸部圧迫感のうち2つ以上が悪化又は新たに発現し、3日間以上継続し、かつ抗菌薬及び/又は全身性ステロイド薬の投与及び/又は入院を要する場合と定義した。

Ichinose M, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2018; 13: 2147-2156.
本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

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