スピオルトの特性 息切れメカニズムと残気量減少

サイトへ公開: 2020年10月05日 (月)

試験概要

目的: COPD患者を対象に、チオトロピウム+オロダテロール配合剤2用量(2.5μg/5μg、5μg/5μg)を、1日1回6週間吸入投与したときの24時間呼吸機能プロファイルを検討する。
対象: 中等症から最重症(GOLD病期分類Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ)COPD患者219例
試験: [検証試験]第Ⅲ相、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ・実薬対照、6群4期不完備型クロスオーバー試験
方法: チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg※1、チオトロピウム+オロダテロール配合剤5μg/5μg(スピオルト®5μg/5μg)、チオトロピウム2.5μg※1、チオトロピウム5μg(スピリーバ®5μg)、オロダテロール5μg※1及びプラセボを、レスピマット®を用いて1日1回6週間吸入投与した。
主要評価項目: FEV1AUC0-24hのベースラインからの変化量(6週間後)
副次評価項目: ピークFEV1(0-3h)のベースラインからの変化量(6週間後)、トラフFEV1のベースラインからの変化量(6週間後)
その他の評価項目: 機能的残気量(FRC)及び残気量(RV)のベースラインからの変化量(6週間後)
主要評価項目の結果: スピオルト®レスピマット®はスピリーバ®と比較し有意な呼吸機能(FEV1)の改善が検証されました。

 

 

COPD患者さんの息切れ症状改善には残気量の減少が必要です。スピオルト®レスピマット®は、残気量減少に優れた薬剤です。

COPD患者さんの息切れ症状改善には残気量の減少が必要です。スピオルト®レスピマット®は、残気量減少に優れた薬剤です。

COPDは気道の狭窄により息が吐きにくくなる疾患です。COPD患者は安静時においても十分に息が吐ききれずに肺の中に空気が残ってしまいます。 この残った空気の量(残気量)は、呼吸数の増える体動時にさらに増大し肺の過膨張をきたします。その結果、患者は十分に息が吸えなくなり苦しさを感じます。これがCOPD患者の息切れです。
COPD治療ではこの残気量をいかに減らし過膨張を解消するかが重要な治療ターゲットです。横隔膜が効率よく動くようになることで、息切れの改善にも大きく寄与すると考えられます。さらに息切れの改善によりCOPD患者の運動耐容能や身体活動性を向上させることが期待されます。

スピオルト®レスピマット®はスピリーバ®§と比較し有意な残気量の減少を示しました

残気量の変化量(6週間後)[その他の評価項目] (海外データ)

スピオルト®レスピマット®はスピリーバ®§と比較し有意な残気量の減少を示しました

投与前の共通ベースライン±SE:3.835±0.091(L)  解析方法:混合効果反復測定モデル(MMRM)
††††:p<0.0001 vs. プラセボ群、#:p<0.05 vs. オロダテロール5μg群、*:p<0.05 vs. スピリーバ®5μg群
調整平均値:投与及び投与期を固定効果、患者を変量効果、投与期のベースライン及び患者のベースラインを共変量として調整
チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg、チオトロピウム2.5μgは承認外用量のため削除しました。

・オロダテロール単剤は国内未承認です。
§:スピリーバ®レスピマット®
Sauter W, et al. 承認時評価資料:COPD患者対象プラセボ対象24時間呼吸機能試験(1237.20試験)より改変
Beeh KM, et al. Pulm Pharmacol Ther 2015; 32: 53-59. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

安全性

本試験において副作用(医師の判定による)は、スピオルト®5μg/5μg群(以下、スピオルト®群)139例中3例(2.2%)、スピリーバ®5μg群(以下、スピリーバ®群)138例中8例(5.8%)、オロダテロール5μg群(以下、オロダテロール群)138例中6例(4.3%)及びプラセボ群138例中9例(6.5%)に認められた。
主な副作用(2例以上)は、スピオルト®群では口内乾燥2例(1.4%)、スピリーバ®群では頭痛3例(2.2%)、浮動性めまい2例(1.4%)、及びプラセボ群では発声障害3例(2.2%)、咳嗽2例(1.4%)であった。(オロダテロール群では2例以上の事象なし)
投与中止に至った有害事象は、スピオルト®群1例、スピリーバ®群2例、オロダテロール群3例であり、重篤な有害事象は、スピオルト®群 1例、スピリーバ®群3例、オロダテロール群8例に認められた。本試験期間中の死亡例はなかった。なお、重篤例のうち、薬剤(プラセボを除く)との関連が認められたものはなかった。
投与中止例の詳細については、論文等に記載がなかった。本剤の安全性情報に関しては電子添文をご参照ください。

※1:チオトロピウム+オロダテロール配合剤2.5μg/5μg、チオトロピウム2.5μgは承認外用量のため削除しました。
・オロダテロール単剤は国内未承認です。


Sauter W, et al. 承認時評価資料:COPD患者対象プラセボ対照24時間呼吸機能試験(1237.20試験)より改変
Beeh KM, et al. Pulm Pharmacol Ther 2015; 32: 53-59. 本試験はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

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