eGFR計算ツール・eGFR Slope計算ツール
eGFR(推算糸球体濾過量)を計算
腎機能を評価する糸球体濾過量(GFR)60mL/分/1.73㎡未満の状態が3ヵ月以上続くと、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
日常診療では血清クレアチニンもしくは血清シスタチンCから推算されるeGFRで、CKDの診断、進行評価を行います。
性別、年齢、血清クレアチニン値もしくは血清シスタチンC値を入力し、[計算する]をクリックすると 、eGFRが計算され、腎機能の程度(GFR区分)が評価されます。
- ※eGFRcrは性別、年齢(18歳以上)、血清クレアチニン値の入力で計算が可能です。
- ※長期臥床によって筋肉量が減少している場合や栄養状態が悪い場合は血清クレアチニンが低値となりeGFRが過大評価されます。逆に運動や肉類の摂取、薬剤投与などで血清クレアチニンが高値の場合はeGFRが過小評価されます。
そのため長期臥床例や小柄な高齢女性、アスリートや運動習慣のある高齢者などでは、血清シスタチンCに基づくeGFRcysによる評価が適切だといわれています。 - ※腎排泄型の薬剤を投与する際は、身長、体重も入力し、体表面積未補正eGFRにて評価してください。
GFR推算式(18歳以上の場合)
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- eGFRcr:
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(男)194×血清クレアチニン(mg/dL)-1.094×年齢(歳)-0.287(mL/分/1.73㎡)(女)194×血清クレアチニン(mg/dL)-1.094×年齢(歳)-0.287×0.739(mL/分/1.73㎡)
注:酵素法で測定されたクレアチニン 値(小数点以下2桁表記)を用いる. -
- eGFRcys:
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(男)104×血清シスタチン C(mg/L)-1.019×0.996年齢(歳)-8(mL/分/1.73㎡)(女)104×血清シスタチン C(mg/L)-1.019×0.996年齢(歳)×0.929-8(mL/分/1.73㎡)
性別 ※ | 年齢 ※ | ||
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血清クレアチニン(mg/dL) ※ | 血清シスタチンC(mg/L) | ||
身長(cm) | 体重(kg) |
「※」は入力必須項目になります
eGFRの年間変化率(eGFR Slope)を計算
CKDの進行は、CKDの原因、GFRの低下、アルブミン尿(蛋白尿)と関連しており、eGFRの経時変化であるeGFR Slopeも腎予後の予測に有用であると考えられます1)。 eGFR Slopeの傾きが急峻なほど、より短期間で末期腎不全へ至ることが示されています2)。
複数回の血清クレアチニン値を入力し、[計算する]をクリックすると 、eGFRの年間変化率(eGFR Slope)が計算され、グラフに描画されます。
※入力された2つの検査日の値を用いて、おおよそのeGFR年間変化率(eGFR Slope)が計算されます。
性別 | |
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生年月日 |
1 | 検査日 | 血清クレアチニン | ||
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2 | 検査日 | 血清クレアチニン | ||
3 | 検査日 | 血清クレアチニン | ||
4 | 検査日 | 血清クレアチニン | ||
5 | 検査日 | 血清クレアチニン |
※各検査日は期間の長さに関わらず等幅で表示されている点ご留意ください
日本人のeGFRの平均低下速度は-0.36mL/分/1.73㎡/年であり、40~69歳ではeGFR≦50mL/分/1.73㎡、70~79歳ではeGFR≦40mL/分/1.73㎡の場合、腎機能低下速度が有意に速まることが報告されています3)。
2012年のKidney disease: Improving global outcomes (KDIGO)の診療ガイドラインでは、eGFRが-5mL/分/1.73㎡/年を超えて低下する場合を「急速な腎機能の低下(rapid progression)」と定義しています4)。
1) 日本腎臓学会編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023. 東京医学社. 2023.
2) O‘Hare AM, et al. Am J Kidney Dis. 2012 ; 59 : 513–522.
3) Imai E, et al. Hypertens Res. 2008 ; 31 : 433-441.
4) KDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease. Kidney Int Suppl. 2013;3 : 63–72.